京都・奈良旅行2日目

金戒光明寺


山科方面に行く前にとりあえず新選組がらみで行っとけってことで金戒光明寺へ向かう.ちょうどお盆の時期でお墓参りの人で境内が溢れかえってた.参拝客用には別に駐車場があって参道からずーっとダンダラ模様の旗がたなびいていて、あの明るい水色はやっぱりお寺とかには不釣合いだよなあって笑えてきた.かなり大きい三門を経た後、更に階段を登って境内へ.確か去年6月辺りの山本君、藤原君、オダジョー訓の隊士姿のお披露目会ってここでやったんじゃなかったかしら.うろ覚え.
12月まで特別公開中ということで、御影堂や阿弥陀堂など全部ボランティアのガイドさんがついて説明してくれた.まずはお寺の紹介から.京都の人には金戒光明寺というより「くろたにさん」で親しまれているらしい.御影堂には浄土宗の開祖法然上がのご本尊として奉ってあった.展示物では曼荼羅と山越阿弥陀図の説明があった.多分何かの展覧会で山越阿弥陀図の本物は見たことがあるし、この絵の使用法はわりと有名なので知ってたけど、曼荼羅の細かい説明は嬉しかった.
続いて会津藩関連の品や容保公謁見の間などの見学が可能.会津の家訓や日記、柴司の墓石の拓本、会津軍の鎧一式、幕末の京都周辺の地図など興味深い展示品が一杯あった.特に壬生周辺がいきなり畑になってる地図や、どの藩が京都のどの区域を警備していたかを表した地図、御所警備の配置図など地図類がおもしろかった.
松の間だったかな、謁見の間の隣で伊東若冲の屏風にご対面.わーい、若冲の鶏だー!こんなところで若冲の絵が見られるとは思わなかった.対に出してあった屏風は円山応挙.贅沢!
虎の間の襖絵に描かれている虎は、は閉めてあると3匹、一番左のふすまを開けると2匹になるというちょっとした騙し絵になっていた.待っている間の暇つぶしにもなったでしょう、という説明があり、謁見を待つ間の手持ち無沙汰の武士達がふすまを開けて喜んでる様子を思い浮かべてしまった.
この暑さでなければ会津墓地も行ってみたいところだけど、時間もないので今回は断念した.

勧修寺



900年に醍醐天皇により創建されたというお寺.千手観音像があるらしいけど外が明るすぎて硝子に映る自分の顔しか見られなかった.が、ここはお庭が最高に気持ちがいい.芝生も自由に散策可能だし、なんといっても蓮と睡蓮が咲き誇る「氷室の池」がいい.蓮の花は特に好きなんでしばらく池の脇のベンチでぼーっと涼んでしまった.鯉が泳いでいたり白い大きな鳥がいたりと自然たっぷりでいい雰囲気のお寺です.

随心院門跡

小野小町ゆかりのお寺だからということもないだろうけど、受付が若くてハンサムなお坊さんだった.本堂の本尊は如意輪観音像.今回の旅行はなにかと如意輪観音に縁があるな.両隣に定朝作阿弥陀如来像と快慶作の金剛薩[土垂]坐像があり、平安時代のぽっちゃりした柔らかな阿弥陀様と鎌倉時代の色っぽい菩薩像の対比がおもしろかった.金剛薩[土垂]像は右手に五鈷杵(三鈷杵かも.遠くてわからなかった)を、左手に五鈷鈴を持っていた.
庭には小野小町が使ったという小野小町屋敷跡の井戸があった.

法界寺(日野薬師)


国宝の阿弥陀如来像を見に法界寺へ.ピンポーンってブザーを押して待つこと数分、お堂の扉を開けてもらい座布団に座ってご住職の説明を聞く.法隆寺金堂の壁画は火災で焼失してしまったけどこちらは当時の壁画がちゃんと残ってた.仏像の周りの四本の柱にもうっすら彩色が残っていた.この阿弥陀堂も国宝なんだって.檜皮葺の屋根はどうやって手入れしてるんだろう.大変そうだ.国宝阿弥陀如来平等院鳳凰堂阿弥陀様に似たふっくらしたお顔が穏やかで優しい雰囲気.光背の天人も綺麗に残っていた.
薬師堂の薬師如来秘仏だそうで残念ながら見ることは出来なかった.安産のご利益で有名らしく絵馬ならぬ涎掛けがいっぱいかかってた.

奈良へ

ここで金沢へ帰る藤井さんとはお別れ.近くの六地蔵駅付近のイトーヨーカドーという雰囲気も何もあったもんじゃない場所でお昼を食べて藤井さんを駅まで送る.また来年の旅行で会いましょう.奈良へと向かってすぐに土砂降りの雨に降られる.藤井さんにメールしたところ京都では降ってなかったんだって.別れて10分くらいしかしてないのにこの天候の差はなんだ.

元興寺


思いのほか早く奈良に到着したのでぎりぎり拝観時間を狙って元興寺へ行ってみた.到着4時半、閉門5時.よっしゃ30分確保.正面の国宝極楽坊には智光曼荼羅が祀ってある.このお堂の後ろの屋根には飛鳥時代の瓦を見ることができる.正方形に近く正面に柱が何本も立つ様式は飛鳥・天平時代っぽくていいなあ.内部には智光曼荼羅が三面を使ってかかってたけど本物かどうか不明.本物なわけないか.収蔵庫では国宝の五重小塔を見ることが出来た.奈良時代そのままのものとは思えないほど当時のままの姿をとどめていることにしばし感動.つい最近作りましたって言ってもわからないくらい彩色も細部もきっちり残っている.聖徳太子ゆかりのお寺ということでいくつかの聖徳太子像もあり.また不動明王如意輪観音像などの異形の仏様たちともご対面.今回はこの二つの仏様にやたらとご縁がありますね.墓地の途中で振り返るとちょうど極楽坊と禅室の古い瓦を一度に見ることが出来るポイントがあるって受付の方に教えてもらったのでしっかり確認.明らかに色が違うので誰が見ても見逃すことはないでしょう.

ホテルにて

今回宿泊したのはホテルアジール・奈良.3人部屋は和室だった.家族風呂を時間で予約できるのでゆったりと桧風呂に入るという贅沢なことができるホテルだった.
近くのダイエーで買いこんで「新選組!」を見ながらの夕食.NHK総合だけでなくBS放送も息を呑んで見るというこのはまり具合にきっと井藤さんは驚いたことでしょう.でも一週間でこれだけは絶対に外せない行事なんだ.ごめんねー.合間に見た日曜日美術館で丁度明日行く予定の吉野が特集されていた.うわー、この蔵王権現が明日見られるんだ.楽しみ!