ナイロン100℃『フリドリア』

残酷な童話って雰囲気の話だった.童話の世界って「王様は殺されてしまいました」「ウサギは皮をはがされてしまいました」って具合に淡々と事実だけを並べて感情のぶれが無いから、実は残酷なことだってことを忘れがち.カラフルな衣装、異国風の地名や名前、子供の声といった道具立てや、海の中に咲く花や泳ぐ死者たちといった設定に、次々と人が死んでいくというのに全く陰惨な印象の残らない芝居となっていた.死者の世界の象徴が薔薇の香りだというモチーフが好き.