2004-10-10 興福寺国宝展 鎌倉復興期のみほとけ@東京藝術大学大学美術館*1 art 展示室1は曼荼羅や絵画、法相教学メインでささっと流し見程度で. 四天王立像(京都・海住山寺 鎌倉時代13世紀) 高さ50センチ程度の小さい仏像だけど、締まった胴体と細かい作りの良品. 厨子入り吉祥天倚像(奈良・興福寺 南北朝時代1340年) 吉祥天女像は寛慶作、厨子絵は命尊筆.厨子に入っていたからか彩色がまるでついこの間の作品のように綺麗に残っていた.吉祥天女像で隠れている白象の厨子絵の写しが展示してあり、それが一番気になった.白象の絵は大抵どの絵も好きになる. 展示室2でお目当ての仏像にご対面.出展の99%が国宝、重文という質の高い展示で大満足.思ったより人も少なく仏像はゆっくりじっくりみることが出来た. 無著・世親像(興福寺 運慶作) 入ってすぐにどどーんと二体がお出迎えです.いいなあ、やっぱりいいな.子供の頃は「単なるおじいさん」にしか見えなかったというのに、ものの見え方ってのは変わるものねえ.年老いた姿で表現された無著の穏やかな顔のなんと素晴らしいことか.二体の間に立ってる時に感じるの幸福感は何物にも変えがたい. 十二神将(興福寺 鎌倉時代) こりゃすげーやって思ったらやっぱり国宝だった.これはもともとどこにあったんだろう.中金堂の本尊は薬師如来だったのかしら.うーん、ちゃんとメモっておけばよかった.今回来ていた4対の中では特に招杜羅大将[丑]が良かった.変なポーズを取りがちな十二神将の中でもかなり前かがみで腕を前にたらしたなかなか変わったポーズをしていらして全然見飽きることがない.これ全部見てみたい. 厨子入り弥勒菩薩半跏像(興福寺 鎌倉時代) 天蓋に何体かの飛天が飛ぶ大変豪華で装飾的な仏像.「綺麗ね〜」って思わず声が出てる人もいるくらい華麗な仏像だった.確か法金剛院の宝物館で同じように厨子に入った半跏像を見た.あちらは十一面観音だったけど厨子の絵や菩薩の瓔珞が似ていた. 帝釈天立像(興福寺 鎌倉時代) 明らかに他の鎌倉時代の作品とは作風が違い異彩を放っていた.運慶快慶に見られる写実的で力強い鎌倉彫刻とはまったく違うふっくらとした顔立ちと優しげな物腰が印象的だった.