しゃばけ

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

虚弱な大店の若旦那と、若旦那命の2人の妖(あやかし)犬神の佐助と白沢の仁吉が事件を解決する物語.
ちょうど同時期に京極さんの『巷説百物語』も読んでた.こちらは事件を起こすのが本物の妖怪、あっちは人間の所業を妖怪の仕業に見せるという全く逆方向の設定で、どうしても比較してしまった.慣れもあるのか京極さんの小説の方が読みやすい.パッと見ただけでも明らかに1ページに収まる情報量が違って、しゃばけのほうが字は大きいし凝ったレトリックも使っていないし、本来こちらのほうがさくっと読めそうなものなのになかなか乗り切れない.なんでだろう.登場人物が比較的みんな真っ当で、そこが物足りなかったのかな.佐助や仁吉がもう少しひねくれてたほうが好みだ.
でも体が弱くさんざん甘やかされていたわりに一本気で男気のある若旦那も、そんな若旦那のためなら何でもしちゃう佐助と仁吉も、幼馴染の和菓子屋の跡取息子もみんな可愛かった.続編も読もう.