マンガというより絵の表現として非常におもしろかった.ある物体が徐々に他のものに変容していくという過程が好きなようで、一つのイメージが持つ
ダブルミーニングどころかトリプルミーニングにまで転化させていく表現があちこちに出てきた.それをこれとつなげるかっ!?ってところに作者の解釈が見られてはっとさせられる.実際に資料のない人の顔はのっぺらぼうで描かれ、顔のわかっている人もそれほど細かく描きこんであるわけでもないので、たまに出てくる渾身の表情とでも言うべき顔のアップが一際印象深い.しかしここでもやっぱり土方の死はかっこよく綺麗に描かれていたのには驚いた.近藤さんの最後の表情も良かったなあ.あの顔が徐々に例のさらし首の絵に変わっていくのが切ない.
番外編のような最後の一編がとても好き.あんな風に死んだ後にまた皆が集まって昔を懐かしんでたらいいなあ.