国芳 暁斎 なんでもこいッ展だィ!@東京ステーションギャラリー

こんな楽しそうな展覧会をやってるのを先週初めて知って慌てて行って来ました.
最終日が近かったせいもあってかなり混んでました.


互いの代表作としてチラシに載ってたのは国芳が『宮本武蔵と巨鯨』、暁斎が『新富座妖怪引幕』.
国芳『宮本武蔵と巨鯨』
暁斎『新富座妖怪引幕』


有名な鯨の絵はひとまずおいておいて、暁斎の引幕には度肝を抜かれた.新しく出来た新富座に送った幕なので、当然めちゃくちゃ大きい.
そこに百鬼夜行に見立てた人気役者が物凄い迫力で描いてある.中でも中央でどかんと目立っているのが『暫』ろくろ首の九代目市川團十郎と『化猫』五代目尾上菊五郎の二人.菊五郎、綺麗だわ!


国芳暁斎もどちらも好きな絵師で、両人とも個々を扱った展覧会には行ったものの特に並べて考えたことはなかった.
こうやって一緒に見ると、何よりもちょっとした時代の差が極端に絵に表れていることに一番目がいった.
幕末から明治にかけて今敏感になってるせいかなー


一番最初は役者絵.役者絵に限っては作家を忘れ本来の目的である役者を見ちゃう.
八代目團十郎はやっぱり綺麗.三代目菊五郎もハンサムっぽいね.
そんな中一番印象深かったのが『五代目市川海老蔵を出迎える八代目市川團十郎
目に特徴のある七代目は貫禄たっぷり、そして八代目は二枚目ぶりが素晴らしい.
国芳『五代目市川海老蔵を出迎える八代目市川團十郎』


猫好きだったという国芳の一連の猫絵は同じく猫好きにはたまりません.
表情を可愛く描いていないところも猫好きのツボをついてくる.
意地悪そうな猫がたまらーん.

団扇の表団扇の裏
国芳 団扇の表国芳 団扇の裏



続いて東海道五十三次の宿場町を猫を使って駄洒落で表した絵からいくつか.
本気の駄洒落です.

保土ヶ谷
のどを後ろ足でかく「のどかい」
草津
猫がのっかる「こたつ」

ねずみが「ぎゃう」
のどかい こたつ ぎゃう


美人画では河鍋暁斎展で見とれた『地獄太夫と一休』に再会です.美しい太夫と周りで踊る骸骨のコントラストが楽しい.
暁斎『地獄太夫と一休』