唐招提寺展@東京国立博物館

混んでましたねえ.興福寺展が空いてたので侮っていたら大変な人出でした.行列がなかったからまだマシだけどこの分だと終盤は更に混みそう.
とはいえ、数点豪華主義の出品数が限られた展覧会だったのでそれほど大変じゃありません.


入ってすぐに金堂を再現したかのような大きな空間に、盧舎那仏、四天王像、梵天帝釈天が安置されてました.
この展示方法がいい.仏像のいる空間がしっかり出来上がっていて人の多さが思いのほか気にならない.しかもお寺と違って一体一体がお立ち台(?)に乗っているので、ぐるぐると周りを好きなように移動することが出来る.素晴らしい.


盧舎那仏は残念ながら光背なし.光背がないと全然印象が違うよ.威圧感が和らいで親しみやすい仏様になってた.それに金堂内で見るより小さく感じた.光背によって随分大きく見えてたんだなあ.でもおかげで光背のない後姿なんて貴重な姿も見ることが出来た.こんなの絶対に見られないもん.
近づいてみると金箔がはげて赤っぽい肌が見えた.脱活乾漆像だからなのかどうかはわからん.何度見ても聞いても一木造以外の造り方が覚えられないからさ.左手斜め下からなめるように見ると、まるで自分の目がカメラになったような完璧な構図がありました.

四天王は「4体全てを瞋目で表した現存最古の例」とあったけれど、瞋目って何?説明文には「目頭を弧状にした」ってあるけどそれじゃ意味がわからない.検索してみると目をカッと見開いてるってことなのかなーって思ったけどよくわからなかった.
8世紀の作で比較的素朴な雰囲気の漂う四天王でした.
帝釈天梵天も同じタイプの造りかな.
金堂に行ってしまうとどうしても大きな三尊像に目を奪われてしまうので、今回この6対がじっくり見られる機会が持ててよかった.


そのほかの見所は御影堂再現と鑑真和上像.
御影堂の壁を飾る東山魁夷の絵は単体で見たり画集で見ただけではどってことないのに、ああやってずらっと並べるとすごく良いね.
海と山と雲と空気がそこにそのままあって、御影堂の鑑真和上もさぞかし安らぐことでしょう.
鑑真和上像は2度目です.これはもう鑑賞するという位置にある像ではないよね.


最後に実際に御影堂にて安置されている状態での写真があった.
なぜかヴィム・ヴェンダースが撮影してたよ.
なんで?なんか関係あるの?

グッズ売り場を見たら他にもアラーキー始めいろんな写真家が撮影したポストカードが売っていたので、きっと唐招提寺でコラボイベントかなにかがあったんでしょう.鑑真和上像の顔を撮影したヴィム・ヴェンダースのもう1枚の写真も色の出かたがおもしろかったので買ってしまった.


ほかにも展覧会のみのTシャツが気に入ったのでこちらも購入.蓮の形のお香立ても石の色が好きだったのでこれまた購入.全体的にグッズのセンスが良かったわ.