新発見長谷川等伯の美@出光美術館

http://www.idemitsu.co.jp/museum/2004new_tenjimain09.html
http://www.idemitsu.co.jp/museum/monthly/sanpo.html

レミゼの前に隣の出光美術館に行ってきました.昨日地下鉄でポスター見るまでこんな楽しい展覧会をやってるとは全然知らなかった.
知ってれば行けばよかったね>妹


タイトルの「新発見」が示すとおり、近年の研究によって新たに等伯の作だとわかった作品が何点か展示してあった.そのどれもがとても素晴らしくとても30分じゃ満足できなかったから、またレミゼを見る時にでも行ってみよう.
たとえ30分とはいえ濃密で楽しい時間を過ごしました.出光美術館はいつも展示方法が落ち着いていて好き.


1つ目の部屋には水墨画の屏風中心に展示してあり、中でも『竹鶴図屏風』はしばらく立ち止まって見入ってしまった.右隻に卵を抱く雌鶴を、左隻に空に向かってなく雄鶴を描いた屏風で、どことなく雪が降っているような、それでいて暖かい空気感が見事な作品だった.静かで優しくてそれでいて力強くて、とても感情を揺さぶられる1枚だった.
『竹虎図屏風』*1もいい.こちらは右隻に獲物を狙う雄虎を、左隻にはくつろぐ雌虎を描いた屏風だ.虎の表情や長い尻尾などにユーモアを感じるおもしろい作品だった.


『派龍図屏風』は損傷が激しく当初は等伯の作品だとわからなかったらしい.展示してある絵は確かに損傷の名残はあるものの、空を舞う龍や渦巻く波がしっかり見えた.なんだか可愛らしい龍だこと.


展示室2ではうってかわってきらびやかな花鳥図が展示してあった.
個人像だという『四季花鳥図屏風』.智積院にある楓図のような迫力のある大胆な構図ではなく、自然をそのまま写したような絵に近い作品だった.
そしてその隣の『萩芒図屏風』にうっとり.普通に欲しいです.こんなの部屋にあったらいいなあ.金地に風になびく萩と芒が右隻と左隻にそれぞれデザイン的に描いてあります.宗達などにも通じるこの手の屏風は今の時代でも全然古臭くないと思う.
俵屋宗達という『月に秋草図屏風』も良かった.等伯と違うのはさらにデザイン化が進んでることか.秋草が模様のように点在して描かれていた.