萩尾農『散華　土方歳三』

本

函館で買ってきた1冊．字が大きいのであっという間に読めてしまった．
せっかくなのでもう少し書き込んで欲しかったというのが正直な感想．鳥羽伏見以降の土方の行動をなぞるにはいいんだけれど、この倍の分量があっても良かったように思う．いろんな人を登場させてくれているだけに、そこのところがサラッと終わってしまうのがもったいない．どうも私はこってりした小説が好みなんだろうな．
この小説では土方と共に斎藤一が大フューチャーされてます．割を食ったのが近藤．土方の心の友が斎藤になってました．斎藤が函館まで行って土方の死を見取っちゃうんだもん．おいしいなあ．
会津で土方と別れた後の斎藤の同行って一時的に不明でよかったんだっけ？だとしたらこういう想像もありだよね．どんな小説でも土方の最期はどうにもたまらなくて泣けてしまうので、昔馴染みの斎藤が傍にいてくれたというのは感傷的と言われようが少し救われた気分になった．