隆慶一郎『吉原御免状』

吉原御免状 (新潮文庫)

吉原御免状 (新潮文庫)

読み終わった.舞台の準備として読んだので誠さまは堤さんの顔でしか想像できない.全編通して堤誠一郎が駆け巡ってた.
他のキャスティングはというとおひょいさんの幻斎しかしらなかったので、なんとなくぼんやりしたイメージで読むことができた.
で、読後にようやくキャスティングチェック.やっぱ義仙は古田さんだよなあ.意外だったのは宗冬のじゅんさん.そうくるか!
水野が善さんってことだけど、原作だと水野は前半しか出てこないよ.どうするんだろう.
勝山が松雪で高尾が京野ことみだというのは納得.おばばさまは聖子さんかあ.なーるほどね.
問題はおしゃぶですよ.誰がやんの?かなり重要な役でしょ?阿修羅2003の時のような棒読みちゃんだけはやめて欲しい.


で、本編ですが、誠一郎が生きている時代と、くぐつ族の時代と、家康の時代と、1つの作品の中で3つの時代を駆け抜けることができるというお得感に溢れた作品です.吉原という特殊な場所の表の顔と裏の顔、徳川家の裏と表、柳生の裏と表などあらゆる二面性が交錯する世界に、誠一郎という原石が混じったことで話が転がっていく.誠一郎が誰も彼もを魅了しながら成長していくサマを、こっちも同じく魅了されながら見守ってる感覚になる.まだまだこれからひと悶着ありそうなところで終わってるので続きが読みたい.どうやらシリーズ化されてるらしいけど、それって全集じゃないと読めないんだろうか.