Last 5 Years@シアターX

【作】ジェイソン・ロバート・ブラウン
【演出】鈴木勝秀
【出演】山本耕史 Nao

Previewはあったにしても一応今日が初日です.
最後のジェイミーの歌でお隣のおばさんっていうかおばあさんが咳き込んで、それだけならまだしもずーっと、本当にずーっとビニール袋をガサガサさせてくれたもんだから全然歌に集中できなかった.その後もいつその手元のビニールをガサゴソさせるか気が気じゃなくて、結局ラストまで集中できず.最後でこれかよ……


ひっさしぶりに劇場で頭にきました.最近とみに寛容になってたというのに今日で見事にリセットです.
許さん!

  • 喋らない
  • 音をたてない
    • いわゆるコンビニ袋が最悪.あとおばちゃんにありがちなのがバッグのジッパーを無防備に開け閉めする.キレイでは鈴の音をチリンチリンさせてる人がいた.なんでやねん.あとおばちゃんはなぜペットボトルを常にコンビニ袋にいれたままにしておくんだ.膝の上のチラシも注意.よくドサッと落として顰蹙かってる人がいる.あと携帯はマナーではなくちゃんと電源切って欲しい.先日もスズナリ2列目で延々携帯鳴らし続ける男がいた.最低でも1回目の着信でなぜ電源を切らんのだ!
  • 前のめりにならない
    • これあまり劇場に行かない人は気づかないから困る.前のめりされると後ろの人の視界が確実に狭まります.下手したらステージの3分の1が見えなくなるくらいの破壊力があります.


劇場にくるなら最低限この3点だけは守ってほしい.
咳込む癖のある友達はちゃんと開始前に膝の上にハンカチ、マスク、袋から出した飴(あの袋を破る音もかなりうるさいんです)などを用意してます.そのくらい気を使って音を立てないようにしてる人もいるっていうのに、こういう無神経な人のせいで周りが迷惑するんですよ.んもう…


ってなわけでせっかくの楽しいはずの観劇がイライラしてる間に終わってしまった.

舞台全般

  • 心配してた歌詞はたまに英語詩のほうが浮かんできたものの慣れればまあまあ.というか慣れるまではかなり歌詞が素通りします.予習したほうがいい.英語の挟み方がいまいちだったのと、日本語にしたことでどうしても情報量が落ちるから伝わるものも2割減といった感じ.それから歌詞が最初の方かなり聞き取りづらいので(低い声が特に)、オリジナルの歌詞で補足するなりパンフの歌詞を事前に見ておいたほうがより楽しめそう.
  • 4ピースでの演奏はばっちり.生演奏はいいね.
  • 照明は新感線でもおなじみに原田保氏.バラの使い方は果たして効果的だったのかなんなのかよくわからないけど、スポットの当て方と色の変化が良かった.
  • 下手がジェイミー、上手がキャサリンとかなりきっちり立ち位置が決まってるので、山本ジェイミーは9割がた下手にいます.上手だとちょっと、いやかなり寂しい.

山本ジェイミー

  • 活き活きしてます.鈴勝さんがパンフで言ってる「天才=子供」というのが納得できるジェイミーだった.キラキラしてて自分の才能を疑っていなくて無邪気で、だから知らずにキャサリンを傷つけて、歌詞を見てるだけだと気づかなかったジェイミーが見えてきた.
  • 歌は相当難しい.ただでさえ難しいメロディーなのに日本語のせると余計に難易度アップな曲達を既にかなり歌いこなしてた.でなかったというhigh Cも出てたね.歌と動きがピタっとはまってて自然だった.
  • 「The Schumuel Song」の声の切り替えは聴き所.フレーズの中で切り替えてるのが凄い.
  • 「Nobody Needs to Know」かなり目のふちが赤かったけど涙目になってた?
  • かなり意識して表情を作ってると思うので、最初と最後のほうの変化をもう少し注意して見たかった.「If I Didn't Believe You」でああいう表情を見せるとは思ってなかったので印象に残った.

Naoキャサリン(すみません、辛口です)

  • いかんせん経験不足が否めない.舞台の上でどう自分を見せるか、どう表現するかがまだ身についていないといった感じ.
  • 舞台での動きがぎこちなさすぎる.山本ジェイミーが自然に動けてるから余計にキャサリンの振付としか思えない動きが気になった.段取りが透けてみえるので動かれるとさーっと醒めてしまう.
  • 動きがいまひとつでも歌が圧倒的に上手ければそれはそれで納得もするんだけど、歌のほうも音程がぶれたり声がきっちり出てなかったりと不安定でハラハラする.低音部分の落ち着いた優しい声はいいと思う.ただ高音のパンチが無い.
  • 歌で感情を表現するテクニックがまだまだ.すごく頑張ってるしやろうという姿勢は見える.でも頑張ってるってのと出来てるってのは別だから.「Still Hurting」でこちらを切ない気持ちにさせてくれたら成功じゃないですかねえ.


2人しか出ない芝居で、その2人のレベルの差がこうまで激しいとちょっと辛いなあ.10人くらい出てればあまり目立たないだろうけど2人だけで、しかも交互に歌うとなるとどうしても比べちゃうし.
例えばこれが『キレイ』みたいな舞台だったら「歌がいまいちね」なんてこと言おうなんて思わない.歌に左右される舞台じゃないから.でもこれは歌そのもので伝える舞台だからね.歌でもいいし動きでもいいし、回を重ねることでどちらかがグンと伸びてくれることを祈りたい.若いから実際に舞台に立つことで急激に成長するってこともあるから東京公演最終あたりを期待しよう.