ルル

2005年4月世田谷パブリックシアター
原作:フランク・ヴェデキント  演出:白井晃
秋山菜津子古谷一行根岸季衣/増沢望/浅野和之/小田豊みのすけ岸博之/石橋祐/まるの保

そういえば岩波文庫で復刻版(じゃないか、重版だったか?)が出てた.今のうちに買っておくべきか.
この重い話を毎日やるってすごいな.アホみたいだけど見終わってまず最初にそう思った.ある人物の一生を描く作品というのは珍しくはない.でも女一代記のように苦労はしたけれど人生まっとうしました!っていうんじゃなくて、ルルのように男を手玉に取り翻弄しているように見えて、実はダメな男たちに振り回され無自覚に人生落ちていく無邪気な女性を演じるのはかなりきつそうだ.少なくとも私にはルルの生き方は物凄く辛いな.見てるのが辛い.
物凄く消耗しそうな舞台だけど秋山さん自身は「出っぱなしのほうがラク」みたいにインタビューで語っていたので、やってるほうは実は毎回発散できて気持ちがいいのかもしれない.
ルルを演じることの出来る女優と言うにはかなり限られると思う.秋山さんのルルを見てると、ルルを御しきれない男達が情けないと思ったね.
各Actの合間に井手茂太のいかにもなダンスあり.イデビアンダンスはあまり得意ではないのだけれど今回のダンスは芝居の区切りという役割をきっちりと果たしていて良かった.
スタイリッシュでシンプルな美術は松井るみ.この人のセットはインテリア雑誌に載ってておかしくないようなお洒落っぽさが好き.