かくれさと苦界行

かくれさと苦界行 (新潮文庫)

かくれさと苦界行 (新潮文庫)

注!ネタばれあり>妹


既に前作から5年がたってます.5年たって高尾もおらず、誠一郎にとって運命の女性ともいうべきおしゃぶが妻となってます.
あとがきを読むと、隆慶一郎は4部の誠一郎シリーズの構想を抱いていたようだけれども、残念ながら2部を書いたところで急逝されたのだとか.
全4作の2作目と考えると誠一郎より前の世代の登場人物たちが相次いで死んでいくのも納得です.吉原に出てきた誠一郎をそれまで包んでいた保護者達がいなくなることで、今後は誠一郎自身に100%の責任が被さってくる.そんな状況の中、剣士という立場と長という立場を誠一郎がどう折り合いをつけていくのか、ぜひとも続きが読んでみたかった.