芸術祭十月大歌舞伎 夜の部@歌舞伎座

一、双蝶々曲輪日記 引窓

南与兵衛後に南方十次兵衛:菊五郎
女房お早:魁春
平岡丹平:團蔵
三原伝造:権十郎
濡髪長五郎:左團次
母お幸:田之助

久しぶりの引窓.ほんわかしたいい話なんだけれども、どうも眠くて…

二、日高川入相花王 坂東玉三郎人形振りにて相勤め申し候

清姫玉三郎
船頭:竹志郎改め薪車
人形遣い菊之助

玉さんの踊りは、踊りが苦手な私でも思わず時間を忘れて見入っちゃう.何か絶対出てる.
菊ちゃんが人形遣いで登場するけど、徐々に文楽と同じく人形役の玉さん以外目に入らなくなってしまった.
人形振りの趣向自体は苧環のほうが良かったと思う.半分以上が岸で「船に乗せろー」って延々くだ巻いてるお姫様だからね、比較的レンジの狭い踊りになってしまってたかな〜.でも玉さん見てると幸せ.
最後、とうとう船頭に断られた清姫が蛇に変身して川を渡ります.あの波の層の演出は1階で見たほうが効果的だっただろうな.上からだと波の揺れ方と見え隠れする清姫のバランスが微妙だった.
岸に辿りついてキッと睨む玉さんの迫力に圧倒された.すげー(ため息)

三、心中天網島 河庄

紙屋治兵衛:鴈治郎
粉屋孫右衛門:我當
丁稚三五郎:壱太郎
五貫屋善六:竹三郎
江戸屋太兵衛:東蔵
河内屋お庄:田之助
紀の国屋小春:雀右衛門

河庄は何度も見ているはずなのにあまり印象に残ってないのは何でだろう.むしろ文楽のほうが記憶に残ってるわ.
田之助さん、雀右衛門さん、我當さんと三人揃い踏みの時は、三人とも膝が痛いのかどうもにもぎこちない座り方で、この座組は大丈夫なのか?って別なところで心配になったけれど、治兵衛と孫右衛門のやり取りで大逆転.鴈治郎さんと我當さんの兄弟は、さすが上方役者同士、関西弁の間がばっちりで面白かった〜.
一番印象に残ってるのは2001年近松歌舞伎の鴈治郎玉三郎弥十郎の座組ですが、あの時こんな漫才のようなやり取りがあった記憶が無い.おぼろげながら、あの時はバージョンが違っていたような気がするのだけれど思い違いかしら.
小春の雀右衛門さんがまだまだプロンプばっちりで小春で芝居が見事に止まる.さすがにあそこまで止まる、かつ声が小さいと小春のシーンは何が何やらよくわからないものになってしまってた.佇まいは可愛らしいだけにもったいない.