醍醐寺 薪歌舞伎

BSで放送された時は録画に失敗して肝心の『勧進帳』が見られなかった.地上派放送ありがとう.


醍醐寺の金堂の三尊像が後ろに見えている舞台が何よりも素晴らしい.
こういった場所には松羽目物が一番相性が良いんじゃないかしら.復元された羅生門の前で『茨木』やったら凄いだろうなあ.
今回は如来像の前なだけに慈悲の心がより一層強烈に伝わってきた.
自然の空の下で繰り広げられる弁慶と富樫の問答はリアルという言葉が持つ意味あいとは違うかもしれないけれど、歌舞伎座の舞台とは違って本当に安宅関で行われているようなそんな錯覚に陥りそうになった.
團十郎さんの弁慶はなんとも可愛らしい弁慶だった.酔っ払ってるところの笑顔が子供みたい.弁慶の邪気の無さ実直さにほんわかした気持ちになるね.
最後の富樫と弁慶の目だけの会話が泣ける.かっこいいわー.
海老蔵の富樫は見た目はほんとーに美しい.富樫扮装の海老蔵は絵のように美しくてうっとり.今回は喋るとガクッとくることもなく、特に最後、すそを翻して帰っていく場面には痺れました.えっと、この富樫は確か仁左さんに習ったんだっけ?成田屋さんファンには叱られそうだけれど、できれば今後もパパ以外の人に習って欲しい.團十郎さんの大らかさは大好きだけれども、口跡は真似ないほうがいいのではないかと….とはいえ、年々パパに似てきてるから血は争えませんか.