『胎内』@青山円形劇場

青山円形劇場+ゴーチ・ブラザーズ共同プロデュース公演
作;三好十郎
演出:鈴木勝秀
奥菜恵 長塚圭史 伊達暁

集中力を試される芝居だったわー.
感想は後ほど.ああ、でも時間をおくと忘れそう.


今日はご近所にいのうえひでのり氏と森山未來君がいました.
いのうえさんのキッスのTシャツがまぶしかった.
森山君を見かけるのは2度目ですがお洒落さんなのね.


【追記】
洞窟に閉じ込められたカップルと一人の男が、迫りくる死への恐怖の中で何を思うか.
極限状態で意識や感情の浮き沈みを追った作品だった.
どの時代にも共通のテーマなだけに、時代がかった口調が物語に没頭する妨げとなった.現代に「あたいは」とか喋る人にいきなり出くわしたような違和感に近いかな.それからところどころ早口でまくし立てる台詞がまったく聞き取れなかった.口跡の問題もあるとは思うけれど、いつもより音が反響していたようにも感じた.


“閉じ込められてパニック!”といえば、喚いたり怒鳴ったりっていうのは容易に想像できる.役者3人は頑張っていたけれど、頑張ってる部分が見えすぎると見ているほうは傍観者になる以外になく、だんだん彼らの閉塞状態がどうでもよくなってしまいそうになったので、ダメだダメだと自分に言い聞かせて極力台詞に集中しようと私のほうが頑張ってしまった.
奥菜恵は良かったです.もともと好きな女優なので贔屓目にはなるだろうけれど、彼女の台詞にはリアリティーがある.それでいて舞台を客観的に俯瞰しているので、のめりこむ演技の時でもバラバラにならない.この芝居では彼女が空間を支配していた感すらあった.
長塚&伊達という阿佐スパペアは、うーむ……
感想に困るなあ.同じ阿佐スパでも中山祐一郎を引っ張ってきた方が良かったかもしれない.イライラしてキレてるようにしか見えないのが問題か.


客席より一段と低い場所に作った内部とそびえ立つ洞穴の壁に開いた出口への道が、まさに胎内という空間を想起させるセットが良かった.
胎内のようなセットの中で聞く、「何故生まれてきたのか」「もしも生きて戻れたら」という台詞には想像力をかきたてられた.ただ低すぎて役者が座ったり横になったりするとどこにいるかすらわからなくなってしまった.声はすれどどこにいるのかさっぱり、なんてこともしばしば.しかも静止状態での長台詞が多いので、一度見えないとなるとそれから数分以上見えない場面が続いてしまう.途中であきらめて気にしないようにはしたけれども、もう少し考えて欲しかった.照明効果も良さげだったのに見えないと効果半減.もったいない.