十一月吉例顔見世大歌舞伎 夜の部

一.嬢景清八嶋日記 日向嶋景清

 悪七兵衛景清:吉右衛門
 肝煎佐治太夫歌昇
 里人実は土屋郡内:染五郎
 里人実は天野四郎:信二郎
 娘糸滝:芝雀

芝雀さんの娘が可愛らしくてよかったことくらいしか覚えてません.

二.鞍馬山誉鷹 中村大改め初代中村鷹之資披露狂言

 牛若丸:大改め鷹之資
 鷹匠富十郎
 平忠度仁左衛門
 喜三太:梅玉
 蓮忍阿闍梨吉右衛門
 常盤御前雀右衛門

初舞台の時は抱かれてるくらいしか出来なかった男の子がこんなにおっきくなってますよ!子供の成長って凄い.
6歳とは思えないくらいしっかりと舞台を勤めていて感心しました.期待してなかった演目なだけに嬉しい誤算.

三.連獅子

 狂言師右近後に親獅子の精:幸四郎
 狂言師左近後に仔獅子の精:染五郎
 法華の僧蓮念:玉太郎
 浄土の僧遍念:信二郎

幸四郎染五郎の親子連獅子.松竹座の新ちゃんほどの衝撃ではないものの、最後の染五郎のやけくそのような
毛振りには思わず笑ってしまった.全体的におっとりした連獅子でしたね.
宗論は信二郎&玉太郎という甘い二枚目ぺア.ハンサムなのに華に欠けるのが惜しい.

四.おさん茂兵衛 大経師昔暦

 茂兵衛:梅玉
 おさん:時蔵
 女中お玉:梅枝
 母お久:歌江
 番頭助右衛門:歌六
 大経師以春:段四郎

梅玉時蔵ペアでの夜の部最後というのは9月にもあったのでなんとなーくデジャヴュ感.
前回も初めて見る演目だったし今回もまったく知らない話だったので「で、どうなるの?」ってストーリー展開を普通に楽しみました.この2人は硬質な品という点でお似合いだと思う.
それにしてもこの2人の大切りはどうしてこう暗い話になるんだろう.
知らずに不義密通を犯すなんて「夜は真っ暗」という前提がないと成り立たないよね.
好きだからとか許されない恋愛だからじゃなくて、単に「磔はイヤだ」という理由で駆け落ちしちゃう展開に呆然としつつも、その利己的な自己愛にむしろ感動すら覚えました.