電車男

新宿・パークタワーホール
脚本・演出 堤幸彦
武田真治、優香(声のみ)、鈴木一真モロ師岡佐伯新脇知弘、千代將太、河原雅彦

電車男の話を冒頭(電車で彼女を助けたらエルメスティーカップをもらったってこと)以外まったく知らなかったので普通に展開を楽しみました.
舞台正面には大きなスクリーンがあり、おのおのの出演者の眼前にあるカメラの映像がそのスクリーンに映る仕掛けになっていた.舞台での映像の使い方としてはかなり大胆じゃないでしょうか.生で見ていれば自分の視線で見たいところをピックアップできるけれど、WOWOW放送版だったのでカメラが映してくれる映像以外見ることが出来ない.おかげで全体の半分くらいは後ろのモニター映像を見ていたことになると思う.
台詞を言う役者の顔の上にAA付の台詞と同じ文字列がかぶせられ、発言と共にその画面があわただしく切り替わっていった.
早口だったり叫んでいたりと、文字がなければ何を言っているのかわからない台詞もたくさんあった.その忙しなくたたみかけるテンポが不特定多数が同時に書き込む掲示板の雰囲気をよく伝えていた.こういう独特のノリを作り出すところはさすが堤幸彦といったところでしょうか.
女性は声のみ、あるいは映像で首から下の登場のみという割り切りも、この物語が電車男からの発信であり、電車男とネットの向こうの仲間たちの交流であるという空気を上手く作り出していた.


客席を自由自在に操る武田君に舞台に立つ楽しさを見た.一時舞台恐怖症にかかっていたのが、『夜叉ヶ池』に引き続きこの舞台で一気に吹っ切れたみたいで今後に期待がもてました.


そしてその武田君より私の目を釘付けにしたのが河原さん.ちょっとちょっと、かっこいいじゃん!素敵じゃん!
あんなナチュラルな髪型であんなナチュラルなファッションであんなナチュラルに芝居する河原さんを始めてみた.