『グランドホテル』

【演出】グレン・ウォルフォード

エリザベッタ・グルーシンスカヤ:前田美波里
フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵:岡幸二郎
ラファエラ:諏訪マリー
オットー・クリンゲライン:小堺一機
フレムシェン:紫吹淳
ヘルマン・ブライジング:田中健
エリック:パク・トンハ
オッテルンシュラーグ:藤木孝

斜め前にフジテレビの軽部アナが.
あのふくらんだ髪型で下手を隠され続けての観劇.


予備知識なかったので、岡さんが結構重要な役どころなのに驚いた.素敵な装いと歌に大満足.
感想は後ほど.


【感想追記】
映画も見ておらず、あらすじも知らないというまっさらな状態での観劇でした.
岡さん演じる男爵がかなり重要な役回りで登場し、しかも歌もじっくり聞かせてもらえて、おかげさまで全編楽しんできました.
予備知識ゼロが功を奏したのか、どうなるの?どうなるの?って興味深く見続けることができたのも良かった.


初日近辺にも見ているようこさんによると最初の頃はぎこちなかったというキャストのアンサンブルも、楽近くの今日は息もぴったりの安心の出来でした.ホテルが舞台ということで、いろんな職種、いろんな階級とヴァラエティに富む人物たちが登場し、その誰もが比較的ステロタイプな描かれ方だっので、今回のキャストの大舞台的な演技がぴったりとはまってた.
どの人物も適材適所で、キャスティングの妙を感じた舞台だった.


気になることといえば、上手、下手のどちらか一方で芝居が延々と続くことが多々あることくらいかな.プリマと男爵のラブシーンなんてずーーーっと上手でやってるから、ちょうど目の前だった私にはありがたかったけど反対の下手の人はじれったかっただろうな.
逆に社長と秘書の場面はいつも下手で、紫吹さんの綺麗なおみ足が全然見られずフラストレーションいっぱい.
あとは、豪華なホテルの表舞台の間にたまに挟まれる裏方たちの悲哀や怒りの歌が、個人的には蛇足に感じた.対比として入れているのはわかるけど、話の主軸は全然別なところにあるから敢えていらないっていうかね、唐突な印象を受けた.


岡さんは大澄賢也ダブルキャストの男爵役.時代がかった口説き文句や立ち居振る舞いが不自然でないだけでも凄い.ああいう役って日本人がやるとウソ臭くなりそうなのに、ありえないほど自然だったなー.舞い落ちる赤い薔薇の中で歌うラブソングは本人が一番うっとりしてそうでした(笑)
大澄男爵も見たようこさんによると、どちらの二人もはまってたそうです.大澄男爵はプリマに愛を誓う歌のラストの高音は上げないまま歌ってたそうですが、「生まれた時から落ちぶれてたんだろうな」って思える男爵で今回のキャストにはぴったりだったとか.
そう、それが岡さんとなると、私は説明されるまでずっと「落ちぶれ貴族」ということに気づかなかった.お金が無いってのも、よくありがちな「放蕩のあまり勘当されてたまたま今はお金がないのだけれど、ちっちゃい頃からお金があるのが当たり前だから気軽な気持ちでお金を借りちゃう」って設定だと思ってたの.堂々としてて卑屈なところがまったくなく、女性のエスコートも堂に入っていて、礼儀の一環として女の子に声をかけてるのだとばかり思ってた.うらぶれ感を微塵も感じさせないNOBLEな男爵でした.そのかわり恋をする若い青年の純粋な気持ちはいやというほど伝わってきた.


紫吹さんは宝塚時代より断然こっちのほうが好きだな.ピンクが似合って可愛かった〜.何しろあのプロポーションですよ!!
あれを見せない手はない.長くて細い足を自由自在に操り踊るシーンは目が釘付けでした.


前田美波里のプリマは、プリマというにはちょっと大柄すぎ&顔が大きすぎるのが残念ではあったけれど、あの年齢でチュチュを綺麗に着こなしてるだけでなく、更にトゥシューズで立ってましたからね.舞台の人だからバレエの素養があるのかな.