プライドと偏見

公式サイト⇒http://www.pride-h.jp/


原作が大好きなので逆に見るかどうか迷ったものの、意を決して見に行った.


高慢と偏見 [DVD]
ダーシーが、ダーシーが……
ダーシーはやっぱコリン・ファースがいい!!


ってことで、BBC版が見たくてたまらん.なんで保存しておかなかったんだろう.
またも抗いがたいDVDの誘惑がじわじわと…….ううっ、がまんがまん.


イギリスの風景とランクによる生活様式の違いを美しい映像で堪能できたのが一番の収穫.最初のパーティの空間からして「ロンドンとは違う」というビングリーの妹の台詞を聞くまでも無く、田舎臭さがそこはかとなく画面から漂ってきていて、インテリア、衣装、食べ物に至るまで、上流社会と中流の上の社会の違いがイギリス人以外にもわかりやすく描写されていた.文章だけだとこういった生活に根付いたコモンルールのようなものって掴みづらかったりするので、映画のおかげで原作に描かれてる世界がより理解しやすくなった.
庭に洗濯物がずらずらぶらさがってたり、アヒルが庭を駆け回ってたり、そういうお家だとは思ってなかったもん.


ストーリーはというと、2時間に納めるという制約がなかなか厳しいんだなという印象.あんなこともこんなこともあったよなーって映像の隙間を埋める見方をしてしまった.
もっとエリザベスとダーシーの会話があったほうが、互いのプライドと偏見が剥がれ落ちていく様がわかりやすいんじゃないかなあ.原作知らない人は唐突に思うんじゃないかなっていらぬ心配をしてしまった.そうはいっても、エリザベスとダーシーに焦点が絞られていくと後半はぐぐっと画面に惹きつけられた.しょせん原作好きですから.
あー、原作読みたい!


キーラ・ナイトレイって『パイレーツ・オブ・カリビアン』のお嬢様だったのか.道理でどこかで見た顔だと思った.綺麗だけど笑顔が怖いのが玉にキズ.やけに憂いを含んだエリザベスだった.
マシュー・マクファディンのダーシーは気難しいというより単にどんより暗いだけに見えて、そこがいまひとつ.
ドナルド・サザーランドとブレンダ・ブレッシンの両親は最高でした.特になりふりかまわぬ母親の姿からは、娘を嫁がせることがあの時代のジェントリにとってどれほど大きな意味を持つのかがイヤと言うほど伝わってきた.必至なんてもんじゃなく、あれはもう死活問題なわけですね.
迫力&貫禄のジュディ・ディンチ、どこまでも美しいジェーンを演じたロザムンド・パイク、滑稽なコリンズ、軽薄な末っ子たちなどはぴったりはまったキャスティングだった.