阿佐ヶ谷スパイダース『桜飛沫』

世田谷パブリックシアター
【作・演出】長塚圭史
【第一部】蟒蛇如
徳市...橋本じゅん
タネ...水野美紀
ヤマコ...猫背椿
新兵衛...伊達暁
シゲオ...長塚圭史
サカエ...吉本菜穂子
虚兵衛...中山祐一郎
郷地弐之佑...川原正嗣
郷地蚕之佑...大林勝
郷地壱之佑...市川しんぺー
【第二部】桜飛沫
佐久間...山本亨
市川左京...山内圭哉
蛭間...中山祐一郎
マルセ...真木よう子
小曽根福助...富岡晃一郎
蝮の蛾次郎...前田悟
寺坂吉右衛門...横山一敏
タネ...水野美紀
ヤマコ...猫背椿
新兵衛...伊達暁
徳市...橋本じゅん
グズ...峯村リエ

今日はいのうえひでのり氏が見に来てました.新感線といってもいいメンバーだもんねえ.
感想は後ほど.


【感想追記】
第一部、第二部という2部構成でした。
新しい領主となった郷地の横暴により、4人以上の子供が生まれると倍の年貢が課されるようになった村が舞台の第一部。じゅんさん演じる医者が村のため堕胎や避妊の教育を行いなんとか子供ができないようにするものの、男たちは風習として蛇を食べ、そして次々とまた子供が生まれてしまう。美紀ちゃん演じる助手の産婆がふとしたはずみで郷地の三男坊を殺してしまい、それがきっかけで過去のならず者時代の血が蘇り妻と子を殺した男へ復讐を果たすため医者は村を旅立つ。
二部は医者の復讐相手である佐久間がいる寂れた宿場町が舞台。かつて殺した者たちの亡霊に悩まされいまや刀ももてなくなった佐久間が、両親を殺され狂ってしまった姉と、姉のため身を売る妹に出会い、狂った姉に子供のようにすがり初めて「ごめんなさい」と泣く。(確か「ごめんなさい」でよかったはずだけど、5日経った今、既にあやふや…)


第一部だけで良かったと思う。2部にわける必要性があったのかな?
一部の話を2時間半くらいに膨らませたものが見たかった。村人たち、医者、郷士とわかりやすい三角形があり、そこに更なる異分子である伊達&猫背ペアが放り込まれたことによって村の日常を壊すエネルギーが生まれていく様を、もっと掘り下げてほしかった。蛇の伝説も結局よくわからないままだったし。これだけのモチーフがあれば十分2時間以上の芝居ができるのにもったいない。
二部は一部と違ってカラフルでケレンに走った演出で、かつ佐久間、3人組、姉妹の関係にピタッとした調和を感じられなかったので、狂った姉と桜の美しさがとってつけたものに見えてしまった。


長塚さんは「人間とは」とか「社会とは」といった大上段に構えたテーマじゃなくて、ただひたすら愛を描きたいのかな。こんなのも愛、あんなのも愛って様々な愛の形を詰め込んである。
阿佐スパの時代劇は『みつばち』に引き続き2作目になるわけだけど、長塚ワールドは現代劇のほうが合うと思う。