TSミュージカルファンデーション『天翔ける風に』

構成・演出・振付 ： 謝珠栄

野田秀樹『贋作・罪と罰』のミュージカル化。ちょうど野田版が上演中なのでタイミングの良い放送だった。
ミュージカルにしたことへの違和感は特に無かった。もともと野田芝居が畳み掛けるような台詞の応酬なので、むしろ歌にしたことで台詞のポイントが浮き立ちわかりやすくなっていた。
主役の香寿たつき以外知らない役者ばかり（香寿たつきも名前を知ってるというくらいで馴染みがな）のせいか、変な先入観なしに見られたのも良かった。ただ、やはり思いいれの強い役者の出ていた野田マップのほうがラスト感動したなー．はなぶさが血気盛んで天才だと自負しているのは若さゆえの傲慢から来ているのかと思っていたけれど、こうまで落ち着いた雰囲気のはなぶさだと見た目の印象と行動との折り合いをつけるのが難しかった。