ウーマンリブ先生

【作・演出】宮藤官九郎
夏祭冬助:松尾スズキ 河西春:池津祥子 男島礼子:伊勢志摩 シズル:宍戸美和公 椎名あや:猫背椿 橋爪巌:皆川猿時 じゅん:荒川良々 アオバ:平岩紙 猿飼洋介:小路勇介 小田島:星野源 ミズホ:宮沢紗恵子 屋敷:宮藤官九郎 塩谷五郎:古田新太

最前センターブロックで見た。目の前でそりゃもう大変な世界が繰り広げられていた。めくるめく怒涛の展開に時間を忘れて没頭した。
おもしろーーい!!
今回は松尾スズキ古田新太という二大怪しいおじさん役者を揃えたせいか、いつものウーマンリブよりも遊びのための遊びが少なくしっかりした骨組みのストーリーがあった。
この2人をメインにおいたこと、かつ大人の役者でほぼ揃えたことでウーマンリブというより大人計画本公演っぽい仕上がりになっていた。
「そんなつもりじゃなかったのに」が連鎖していく展開、必然の偶然の重なり、影響された男が最後に強烈な影響を残していくというアイロニー、2人の男の人生がかかわっていく様から目が離せなかった。
夏祭夫婦のコントラストと、塩谷の手記によって奮起する夏祭がもの悲しい。人間ってなんて哀しいんだろうって。強いんだか弱いんだかそんなところすら哀れで愛しい。
とちょっぴり真面目に書いたものの、目の前の役者陣に圧倒されて俯瞰して見ることなんて無理無理!
ジャージな古田さんに目の前で踊られた時から笑いながらも目がハート。松尾さんも素敵〜。2人揃われたらもうどうしていいものやら。
なんだってこの手のオヤジ達はこうもフェロモンだだ漏れなのかしら。素敵過ぎや。
かっちり役を極めてくる古田さんと、通常の役者とは違う間を持つ松尾さん、2人の個性が全然違うのがまた面白い。
サダヲちゃんと古田さんだと比較的同じパワーでぶつかるからサクサクしたテンポなんだけど、松尾さんはのらりくらりしてるから不思議な掛け合いだった。
古田さん大人しめ?って思うくらい前半控えめだったのは後半の展開のせいだったのか。後半は本領発揮とばかりに活き活きしてた。星条旗ブリーフ1枚姿でも全然平気。目の前だったせいで全身バランス見れなかったのがむしろラッキー?
足の引きずり具合が絶妙だから身上話が始まるまで、稽古で足を痛めちゃったのかとばかり思ってた。常にわかりやすく引きずらないところが憎いわー。
いつものことながら大人の女優陣は本当に凄い。汚れ役を完璧にこなしてる。あの台詞やあの動きを中途半端にやられると目も当てられないくらい寒いことになりそうなのに、どうだとばかりにやり切ってくれるから清々しい。
しかも皆肌がツヤツヤで羨ましい。なんでなの?女優だから?舞台で発散してるから?
おかしい。珍しく皆川さんが普通に面白かった。空気を読んだ笑いを取るなんて!
荒川良々が始めて歳相応に見えた。
クドカンはいつもの如くおいしいとこどりで。