ロープ@シアターコクーン

野田さんのこの手の問題提起の仕方は苦手だ。カーテンコール途中で帰った『オイル』よりはずっと見やすかったけれど、あまりにあからさま過ぎる部分にどうしても引いてしまう。
社会的視点が欠如している、というよりは敢えて無視している自覚があるので、私にはテーマを個に絞ったもののほうがわかりやすいし楽しめる。
「このリングの中」=「戦争という特殊な状況」という設定で敢えてsarcasticな台詞を言うあたりでさーっと冷めてしまった。今ベトナムというのもピンとこない。
直球勝負をしかける野田さんのパワーは素直に凄いと思う。でもここまで直球じゃなくてもいいじゃないかとも思ってしまった。

役者では中村さんが渋く素敵。まわりの高いテンションとは常に一線を画してたのがかえって目を引いた。
藤原君はオイルよりずっと良かった。蜷川さんの時は普通の役はやらないから、こういう普通の現代青年な藤原君が見られるのは実は貴重だ。


【追記】
そういえば忘れてたけど松山ケンイチ長谷川京子が見にきてた.何故松山ケンイチ?って一瞬不思議に思ったけど、デスノつながりの藤原君が出てるからか!