宮部みゆき『あかんべえ』

あかんべえ（上） (新潮文庫)

あかんべえ（下） (新潮文庫)

10才の女の子おりんちゃんが主役の幽霊が登場する時代物ミステリー。この手のお話は宮部さんお得意のものですね。
うらみや妬みなど負の感情も多く含まれているのに、読後感がほんのりあったかいのはおりんちゃんやおりんちゃんのお母さん、おばあさんが芯の強く優しい女性達だったからか。
おりんちゃんだけに見えるふね屋に住み着く幽霊達がどれも魅力的で、おりんちゃんが会話を交わすのが楽しみにするくらいだった。特に玄之介様とおみつさんが素敵でねえ、こんな幽霊だったらいつでも住み着いて欲しいと思ってしまった。