レ・ミゼラブル@帝国劇場

今季初のレミゼ.久しぶりだったせいかいろいろ思うことあり.
感想のちほど・

【追記】

ジャン・バルジャン 橋本さとし
ジャベール 岡幸二郎
エポニーヌ 坂本真綾
ファンテーヌ シルビア・グラブ
コゼット 富田麻帆
マリウス 小西遼生
テナルディエ 駒田一
テナルディエの妻 森公美子
アンジョルラス 東山義久

今期のレミゼにしては前評判も何も入れずにいったので、お初な人たちがまさに始めましてな状態で、観察する気分での観劇となった.
まず、短縮版でカットされた部分が一部復活してた!仮出獄時に放浪するバルジャンのシーンや、バリケード陥落後の女達の台詞が戻っていて、短縮版を始めてみたときの違和感が少し減った.特に削られてショックだった「教えなかった死ぬことなど」と「赤ん坊の時に抱いた(うろ覚え)」って台詞の復活が喜ばしい.雪崩のように死んでいく学生達を見た後にこの台詞が来ることで、悲劇がより一層際立つと思う.
ほかにもちょこちょこあれ?ってシーンがあった.覚える気がなかったから曖昧だけど学生達のシーンも長くなってたよね?2幕のオープニングの曲もちと違う気が.あと曲だけでなく演出面でも変化があったと思う.ここ見てねってところへの照明の当て方とか前より親切になってる気がした.
一番えっ?となったのがガブの死に際の台詞.総とっかえってくらい違うじゃん.あのメロディーと歌詞は長年見てきて始めて聴いたものなんだけど、どこかから引っ張ってきたの?Londonではああいう風にやってるとか?通常は泣きポイントでもあるあの場面で、驚きのあまり出かけた涙がひっこんだ.メロディーも歌詞も前のほうが好き.
せいぜい新キャストをどれどれって見る程度だろうなって思ってたのにこんなにいろいろ変わってるとは.前評判、少しでも入れておけばよかった.

とりあえずさとしさんだけは見ておかないと!どうせ見るならジャべは岡さんでって思ってたところにカード貸切があったので今日の日を選んだ.
さとしさん、細っ!第一印象はとにかく細い.これまでみたジャベが比較的肉厚どっしりタイプが多かったのでバンド系痩せ型なさとしさんの囚人服姿が異常に細かった.細さのせいか最後なんて受難のキリストみたいなルックスになってた.歌は、うーん、まだ厳しいかなあ.バルジャンって若い頃から年老いてまでを演じなくちゃいけなくて、そうなるとさとしさんは声が一種類しかないのがきつい.硬質な声だからソフトな色合いを出そうとするとなかなか苦労してたみたい.あとここぞという時のパンチがもっとあったらなーって思った.演技という面ではオリジナルなところも多々あってなかなか面白かった.でも2回見るなら別所さんかなあ.
岡さん、相変わらず文句なく素敵.最初はロボットみたいなジャベールだったのが、どんどん人間臭いジャベールになってきてる.自殺のシーンで1オクターブあげて歌うのはやめたのね.どうしてもってわけじゃないけどハイトーンも聴いてみたかった.まあ、毎回ドキドキするよりは落ち着いて聴けるから今のほうがいいか.
さとしさんと岡さんはどちらもクリアな部分が多い声だからアンサンブルとしてどうかなあ.お互いの声がぶつかりあってしまう感じがした.
エポの真綾ちゃん.前より綺麗になった?声は似てるけどなんか顔の感じが違うなあ、でもスタイルは真綾ちゃんっぽいしって休憩時間に確認するまで確信できなかった.せめてキャスト表くらいはチェックしよう.彼女の恵みの雨が大好きです.今日唯一涙したシーン.
ファンテのシルビアさん.声がファンテ向きではないのだけれど上手いので安心.
コゼットの富田さん(初見).立ち姿がいけてなくてお嬢さんに見えないのが致命的.猫背っぽいのと首が短いのが問題か.歌もなあ、最初に登場した時の不安定さはなんだったんだろう.しばらくしたら持ち直したけど第一声がひどかった.コゼットって比較的重きをおかれない役とはいえ、一人だけクラシカルなソプラノ調なので意外と粗が目立ち安い.たまきちゃんや由佳ちゃんが出る前ならこんなもんかって思っただろうけど、あの2人が見た目も歌も良かったからどうしてもあのレベルを要求してしまう.
マリウスの小西くん(初見).のっぽのでくのぼうといった印象.繊細な感情表現がまだ苦手なのかしら.それはそれで鈍感なマリウスっぽいっちゃーぽいのか.カフェソングの「友よ〜許せ」でいきなり立ち上がって腕ぶん回してたよ.びっくり.一時期マリウスがどれもこれも情緒不安定かってくらい感情過多になってていい加減うっとーしいんじゃって思ってたけど、こうもあっさりだと拍子抜け.唯一恵みの雨シーンは真綾ちゃんにひっぱられたのかいい演技するじゃんって思った.
マリウス&エポの三重唱がどれもこれも雑だったのは誰に問題あり?
駒田さん.前から素晴らしかったけど更に進化してた.一時期節の頭にストレス起きすぎな歌い方が気になったんだけど、今回それがほとんどなかった.大袈裟にやらなくてもちょっとした動きや表情でテナルディエの狡猾さと愛嬌を表現しててさすがだった.
モリクミさんも安定安心.
アンサンブルの演技がひどいと思ったんだけどあんなもんだったっけ?一人ひとりでやってるとこはいいんだけど集団になると手を抜いてるっていうか.民衆の行進のとことか馬車の暴走のとことか、動きが素人な人がちらほらいたよ.

久しぶりに見て自分の中のバルジャン基準が思いのほか別所さんに傾いてることがわかった.別所&岡ペアが見たいー.