興福寺

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特別公開中の興福寺へ.時間も無いしどこ行くか迷ったんだけど今なら八部衆が一同に会してるというということで興福寺に即決.雨が降ったりやんだりとめんどくさい天気の中、興福寺まで歩く.前にJALホテルに泊まってうろうろしてたからここも勝手知ったる道だ.
南円堂で御朱印と頂き、まずは特別公開中の北円堂へ向かう.無著・世親像を本来の場所である北円堂で見るのはこれが始めてだ.美術展などで見ると二つの像にだけスポットがあたり、否がうえにも精神的な何かを感じ取ろうとしてしまうのだけれど、ご本尊があって四天王がいて、その中に安置してある二像はひっそりと支えているような佇まいだった.ここの四天王はどれも個性豊か.特に持国天だったかな、顔立ちもポーズも「ムッシュー!」って声をかけたくなるような愛嬌に溢れてた.
現在中金堂再建に向けて頑張っているらしい.薬師寺みたいな鮮やかなお堂が建つのかな.H22年を予定ってことだからそんなに遠い未来のことでもない.出来上がったら是非来なくちゃね.
さて、続いては国宝館へ.いつも時期ハズレに来るからこんなに混んでる中入ったことがない.お目当ての八部衆の前には人がいっぱい.奈良時代の仏像で、細身のまっすぐなフォルムが子供みたいでなんとも可愛らしい.前日見た三十三間堂の阿修羅がいかにも戦闘神といった風情だったのに対し、こちらはあどけなささえ感じる青年像だ.日本で一般的に知られてるのがこの阿修羅だからつい阿修羅そのものを勘違いしちゃう.迦楼羅を正面から見るとまさにお茶目なカラスだったs.写真だと一方向からしか見られないけど、こうやって好きな角度で見られるのが現場の醍醐味だね.
乾漆十大弟子立像は一転して写実的な仏像だ.こういった仏像を見ると、釈迦の弟子としての人物像を思い描いて作られた像だということが想像されるのが楽しい.
続いて特別公開中(初公開と言ってたような)の聖観音菩薩を見るため本坊へ.薮内佐斗司の作品も同時に展示してあってじっくり見たかったんだけど、龍の合間にリアルな蛙の作品がやまほど点在してて、とてもじゃないけど見れなかった.蛙はこの世で一番嫌いなので作り物でも無理.聖観音菩薩像は繊細な瓔珞が美しい小ぶりな仏像だった.
続いて東金堂へ.こちらには銅造の薬師三尊像が安置してあります.基本的に銅造仏が大好きなので落ち着くわー.それにしても素人でも一見してわかる年代違いの仏像の並びにちょっと笑いそうになる.まずご本尊と日光月光の様式が違いすぎるんだもん.居並ぶ国宝仏像群はどれも見ごたえたっぷり.十二神将がもう少しじっくり近くて見れたら言うことないのに.