斎藤孝『ドストエフスキーの人間力』

ドストエフスキーの人間力 (新潮文庫)

ドストエフスキーの人間力 (新潮文庫)

カラマーゾフ、白痴、悪霊といった代表的な大作から、地下室の手記、賭博者といった比較的地味な作品を網羅しつつ、コンパクトにまとめてあるので非常に読みやすい.
ドストエフスキー読みながらなんとなくモヤモヤ感じてた不思議をスパッと説明してくれていて、100%同意はしないけど新しい視点に気分はすっきり.罪と罰の教育者的側面とか、ラスコーリニコフの素直さとか、あーなるほどねえって感じ.
『癖の強い人が繰り広げる祝祭空間』って言葉に何故こんなにドストエフスキーが面白いのかの理由が凝縮されてる.過剰な人たちばっかなんで過剰さがかえって薄れるんだよね.癖の強い人を愛する心が自然にめばえてくるのかな.
人生の意味より、人生そのものを愛せ.
うーん、またカラマーゾフが読みたくなってきたぞ.