いのうえ歌舞伎・壊punk『蜻蛉峠』@赤坂ACTシアター

自分的には最後の蜻蛉。終了後MIHOっちとアレコレ語る。
前回なんでつっつんは闇太郎と戦ってんだろうって不思議でしょうがなかったんだけど、もしかしてあっぱれは一人だけ忘れきってる闇太郎が憎かったのかな。おるいと結婚しなかった理由に両親を殺したことをあげてくらいだから、自分の犯した罪ときっちり対峙してそして絶望しちゃったのかな。だから飲んでなきゃ刀も抜けなくて、ろまん街の中にも外にも期待も希望もなくて、そんな毎日だったのに、同じことしでかした闇太郎が全部忘れておるいと一緒になってるのを目の当たりにして許せなかったのかな。生きてることにとことん絶望してる人なのかなーって思いながら見てたけど、でも最後の対決で割りと本気で闇太郎殺そうとしてるよね。ってことは自分は生き残るつもりってことだよね。そこんとこでまたわからなくなってしまった。あの時もしあっぱれが一人生き残って、そしてどうするつもりだったんだろう。闇太郎はわかるんだ。おるいがいるもん。最後ばたばた人が死んで、結局残ったのはおるいとおかし。蜻蛉を見続けるしかない二人が残ったってことか。
そしてやっぱり神社のメロドラマシーンと最後の「母上」が蛇足だと思った。あそこでサーッと冷める。神社の「死にたくない!」の叫びはもう少し他の見せ方はなかったもんだろうか。おるいと闇太郎が必死にあがいて抱き合うってのはアリなんだけど、あそこで吐かれる台詞が好きじゃない。「心は痛まないの?」「そしてまた忘れるの?」とか、あの場で言うにはあまりに綺麗ごと過ぎて冷めちゃうのかなあ。冒頭の闇太郎の台詞に「死んだ母の幻を見る」(うろ覚え)ってのがあるから、既に最後が予見できちゃう作りになってたんだね。なので最後の「母上」はそうあるべきラストなんだろうけど、でもなあ。え?結局お母さんなわけ?ってちょっと引いてしまいました。
MIHOっちはおかしがなんでサルキジを殺さなきゃいけなかったのかがわかんなーいってもんもんとしてた。私もそこはん??ってよくわからなかったんだけど、もともとあの二人はそんなに書き込まれてないからなあ。でも結末がわかってから改めて見ると、銀ちゃんって冗談まじりではあるもののずーっと去勢されたことを嘆いてるし「ある体で」って強調してるし、今更戻れないことに深く深く傷ついてたんだよね。だからパン!で戻ろうって言われてどうしていいのかわかんなくなっちゃったのかもね。
小道具としては結婚祝いで運ばれてくる米俵に「呪けっこん」って旗が追加されてた。磯野さんと小路勇介が揃って言う説明台詞でシンクロした動きが振付けられてた。小路勇介のネタは井森みゆきのオーディションダンス。メタルさん登場シーンでの河野さんの一言ネタはなくなってしまったのかな。
とりあえず今回の舞台で私のツボをさらっていくのは右近さん。素敵すぎ。