The Picture of Dorian Gray

間に合った!芝居を見る前にもういちど読み直そうと原書をあたったものの、これまた行き帰りの電車のみで読んでたらギリギリになってしまった。
かなり昔に読んだので絵が変わっていくこと以外あまり覚えてなくて、バジルって殺されたんだっけ!?ってそこに驚いてしまった。ユイスマンのさかしまみたいにこんなにペダンティックな小説だったという記憶も無かったので、次々に現れるartの描写にワイルドの趣味を感じ取ることができた。ヘンリー卿が語る言葉こそワイルドが信じた夢なのかなーっと漠然と思ってみたり。その昔読んだ時はおそらく堕落してもなお美しいドリアン、身勝手に自己擁護に走り正当化するドリアンに惹かれたと思う。が今回改めて読み直すと、ひたすら若さのshallowでpureなことを褒めたたえ芸術至上論をぶつヘンリー卿の狡猾さが際立って映った.ドリアンは考えちゃいけない子だったのに自分で考えたと思っちゃったことが失敗だったのね.今回はひたすらドリアンの馬鹿さが可哀想でね.ヘンリーの言葉とドリアンの行動を照らし合わせてながら読み直してみたい.
ワイルズの思想と理想が詰め込まれた小説なのかなと思いつつ、投獄後のワイルドを思うと切ない限り。