G2プロデュース『静かじゃない大地』@本多劇場

作:演出 G2
佐藤アツヒロ 田中美里 久ヶ沢徹 福田転球 辻修 内田慈 浜田信也 諏訪雅 池谷のぶえ 久保酎吉

H列1番
こういう言い方があってるかどうかわかんないけどイロモノ役者が脇を固め正統派が真ん中って芝居だった.アツヒロ君が“今G2に呼ばれた意味”ってのをインタビューで語ってたのはこういうことか.アツヒロ君は今まで見た中で一番抑えた受身の芝居をしてた.
オオヌサ(大麻と思われる草)の実験栽培がテーマなんで、今の時期かなり微妙な台詞がちらほらと.PTSDを抱えた研究者、その治療にあたる恋人、夫に不満を持つ主婦、そんな不満にまったく気づかない夫、家に帰りたくない誘拐された女子高生、組のために誘拐犯になった下っ端組員、AIDSの恐怖をオオヌサで紛らわそうとしてる活動家、体験農業と銘打ったオオヌサ栽培に集まった人たちは皆どこかにキズを隠し持っていて、オオヌサ栽培を通じてギリギリ保たれてた危ういバランスがある一瞬で崩れ去る.こういうと悲劇のようだけど、壊滅的に状況が破壊されるとある意味リセットされてむしろ清々しさすら感じた.G2なのでてっきりアツヒロ君が思い出すどころか全部忘れてしまったところで終わりかと思ったら、ちゃんと続きがあったことに一番びっくり.オープニングと同じシチュエーションで全く違う距離感の二人がいた.意地悪い視点から見れば、PTSD原因の妹のことを忘れてくれてみっちゃんにとっては願っても無いエンディングだよね.これからは全部忘れたアツヒロくんを好きなように操れるじゃんって思ってしまった.