空気人形@バルト9

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是枝監督最新作.是枝監督作品は必ず見てきたけれど、今回はDISTANCEから7年ARATA君再登場ということもあっていつもより期待大!舞台挨拶があると知っていそいそ出かけてきました.
是枝監督、ARATA君、ペ・ドゥナ、板尾さんが登場.朝一ということもあってまだ起ききっていないっぽい皆さんでした.この回だけは報道陣がいないということでまったりゆったりした舞台挨拶でした.お目当てARATA君はめちゃくちゃかっこよかった.デニムシャツに変形ジャケットの組み合わせが今年らしくてお洒落.あと最近帽子かぶってることの多かったARATA君が帽子なしでシャープなヘアスタイルをちゃんと見せてくれてた.是枝組への思いいれや7年ぶりの現場の様子を訥々とかつ一生懸命語ってくれた.上手い言葉が見つからないのか、途中でまぁいいですって放棄しちゃってるのも素敵.
多分生ARATA君って初じゃないかなあ.映像でも感じる透明感が生だと更に倍増です.普段何事も可愛いと言ってしまいがちな私でも、さすがにあのARATA君には可愛いが使えない.とにかく「素敵」でした.

さて映画はというと…(ネタバレあり注意)
前回の「歩いても歩いても」とはまったく違う映画だった.毎回違うテイストの作品を送り出してきた是枝監督ですが、今回は空気人形が心を持ってしまうというファンタジックな内容.
ARATA君が死んでしまうという結末がショック過ぎて冷静な感想は今の段階では無理.空気人形の無垢で無知で純粋な愛が残酷で哀しい.空虚に満たされた日常を生きてる人間達へのなんたる皮肉と思いつつ、綺麗と言う言葉で始まり綺麗という言葉で終わったということは、まだ希望があるってことだよね.綺麗なものはあった?っていうオダジョー君の問いかけが無駄にならないといい.
空気が抜けてしまった人形に文字通り息を吹き込むシーンは究極に官能的なラブシーンだった.からっぽな身体が好きな人の息で満たされる幸せを知ってしまったから同じことをしてあげたくなるのも無理はない.ARATA君が最後の涙は初めて自分らしくなれた幸せの涙というようなことを語ってて驚くとともに少し救われた.感傷的でない視点を持つというのはなかなか難しい.