“ねずみの三銃士”第2回企画公演『印獣』“ああ言えば、女優、こう言えば、女優”

作:宮藤官九郎  演出:河原雅彦
三田佳子 生瀬勝久 池田成志 古田新太 岡田義徳 上地春奈

I列30番
感想のちほど.とりあえずひどく刺激的な舞台でした.
あ、あと真心一座の次回公演レイパーに古田さんが登場だって!超楽しみ!

感想追加.箇条書きにて.

  • 三田佳子起用なるほどと思わせる脚本.被り物にハイソックスにと手を変え品を変えこんなことまで!?ってことを三田さんが挑戦してることにまずびっくり. 『でもやっぱり大女優!』ってオーラがないと成立しませんね.それを三田さんに言わせるかっていうアイロニーたっぷりな台詞が散りばめられていて、その都度観客にどよめきが.皆さん感じることは同じのようです.
  • 最初はあの年代の方のトーンというかテンポでクドカン脚本を喋られる違和感に馴染めなかったのが、舞台が進むに連れて全く気にならなくなった.そしてそしてラストシーンの説得力というか人間力には感服です.銀幕のスターってのはこんな感じですかね.
  • 後味のわるーい作品をやりたいってことですが、鈍獣より印獣のほうがストンと入ってくる終わり方だった.有無を言わせない女優魂を見せ付けられてむしろ憑き物が落ちた感すらあった.
  • 単なる老女の妄想かと思いきや、実はそこそこマニアなら知ってるくらいの女優だったという設定が上手い.そこに作家という職業を絡ませるのもこれまたクドカンさすがだなと.“ブレてない”ことを至上目的しそのためには手段を選ばないことに共感できるってのは想像と虚像と作為の上に成り立ってる職業ならではだなと一般人の私なんかは思ったわけです.現実と虚構の境界線が曖昧になっていくサマを見て、作家なんてのになってる人にはあるかもねー、女優なんかやってる人にはあるかもねー、なんて無意識のうちに自然なこととして受け入れちゃってた.
  • トラウマ抱えた生瀬さんが老女優に一番感化されて一番虚構の世界に入り込んじゃってるのは納得.でもその役が生瀬さんってのはストレート過ぎて納得できん.三人三様の性格付けと役割は非常にわかりやすくて三人がいる意味がちゃんとあるのでそこには文句ありません.が、古田さんがひとり関連性が薄くて、それだけじゃなくて人間的にも実は一番まともで一番社会性のある、と言うと語弊があるかもしれないけど、なんか一番社会と繋がった人を演じてて、うわ古田さんずるーって思った.
  • 岡田君の狂気が素晴らしかった.一番怖かった.
  • 上地春奈って誰?(ググってみたらお笑い芸人だった)凄いインパクトで飛び道具として抜群の味付けしてた.