阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』@本多劇場

作・演出 長塚圭史
池田鉄洋 内田亜希子 加納幸和 小島聖 伊達暁 中山祐一郎 馬渕英俚可 光石研 村岡希美 山内圭哉

難しかったです.滅多に無いことだけれどもほぼ全編脚本家&演出家(今回同一人物だけど)は何を伝えたくてこの芝居を書いたんだろう何を伝えたくてこういう演出にしたんだろうって考えながら見た芝居でした.
最後作家の周りをぐるっと全登場人物が囲んでたってことは作家の頭の中で繰り広げられた創作の過程を行ったりきたりしながら見させられたってことなのかしら.観念的な方向に走ってる現状と過去の人気小説との葛藤がそのままFORな人物とAGAINSTな人物として登場してるっぽい.見てる時は作家自身が好き勝手言うまわりに振り回されてる風だったのに、最後に登場する作家以外の人物達の表情の無い顔を見てると一番怖いのは作家だと思った.
昔から物事を構造的に見ることがとてつもなく苦手で、情感に流されるまま開始から終了まで素直に見る視点しか持たないので、こういう緻密に計算された逆算交えた視点を要求される芝居は入っていくのがなかなか難しいです.
出演陣は言うことなし.芸達者な役者達を贅沢に使った芝居でした.両端に3本の柱というシンプルなセットは最近のはやりですか?年末岩松芝居とほぼ同じセット構成でびっくりした.