血は立ったまま眠っている@シアターコクーン

作:寺山修司 演出:蜷川幸雄
森田剛 窪塚洋介 寺島しのぶ 六平直政 遠藤ミチロウ 金守珍 大石継太 柄本佑 冨岡弘 大橋一輝 江口のりこ 市川夏光 蘭妖子 丸山智己 三谷昇 澤魁士 鈴木重輝 鈴木彰紀 手打隆盛 松田慎也

うーん、寺山&蜷川の食い合わせが私には濃すぎて胃もたれが…
蜷川演出の好き嫌いが割りとはっきり私の中であって、今回は嫌いなほうに転んだ芝居だった.シェイクスピアとかギリシャ悲劇とか日本の歴史物とか蜷川さんの過剰な演出がむしろぴったりなものは大好きなんだけど、この手の物は猥雑さが強烈にパワーアップしててとてもじゃないけど受け止めきれない.
何より音楽の使い方がとても苦手でした.あの時代の若者達の躁鬱な精神状態を音楽で表現してるんだろうけど、なんというか芝居の中のイライラ感が音楽によって倍増しですよ.それが狙いと言われればまんまと転がされたとしかいいようがない.同じように音楽がとにかくダメだった蜷川芝居がもう1本あって(確かつっつん主役の和物だったような)、あーあれに似た感じだなーって思いながら見てました.
確かTVのインタビューでこの芝居について蜷川さんが「若手の人気者を配したことでこういう芝居をたくさんの人に見てもらえる」的なことを語ってて、アングラをメジャーでやれるんだからと敢えてより猥雑な演出つけてしてやったりってほくそえんでるじゃないかって想像までしちゃったよ.
舞台の森田君を見るのは3回目ですがPUREで馬鹿な青年っぽくてとても良かった.特に声が良いね.舞台の窪塚くんは初めて.個人的に悪くはないと思ったんだけど評価は分かれそうな感じ.いかんせん声がなー.森田君が憧れるカリスマっぽさは十分感じるんだけど、たまにそうくる?って不思議な演技をしてた.ただ改めて綺麗な青年だとは思いました.
お姉ちゃんは寺島しのぶじゃなきゃダメだったんだろうか.芝居に不安はもちろん無いけど、どうしても貫禄ありすぎて18歳のポエマー少女として見るのは若干無理.
金曜日の阿佐スパ見た時はこの手の芝居は相性悪いなーって思ってたけど、これを見るとまだまだ阿佐スパのほうが馴染みやすいのだなと実感.