ムサシ@彩の国さいたま芸術劇場

作:井上ひさし 演出:蜷川幸雄
藤原竜也 勝地 涼 鈴木 杏 六平直政 吉田鋼太郎 白石加代子 ほか

思ったより場転が少ない。割と同じ平面で話が進んでいくため役者の力量が問われる作品かと。武蔵と小次郎とくるとバガボンドのたっぷりと濃い世界を思い浮かべてしまうので、ストーリーのシンプルさとあっさりさに意外と拍子抜け。剣豪としての生と死とかをもっと暑苦しく語るのかと勝手に想像してました。
藤原君はさらに一段上に上がった印象を受けて驚きました。この間のアンジンでは全然だったのにこの短期間で何が!?ってくらい進化してました。特に以前は無理に出してるっぽくてちょっと気になった低音で張り上げる発声が、すばらしく気持ちよく劇場に響くようになってた。あらーびっくり。こういうトーンでシェイクスピアが見たいです。
勝地君はとても好きな俳優で期待もしてるのですが、小次郎という役をやるにはまだ細いなー。一生懸命なのは伝わってきたけど武蔵に鼻であしらわれる小次郎になっちゃってた。カリギュラの無垢な少年は素晴らしかったけど、藤原君と正面きって対峙するとなると小栗君くらいの太さと強さがあったほうがいいのかもね。