AGAPE store 『BIGGER BIZ〜絶体絶命!結城死す?〜』@紀伊國屋ホール

作:後藤ひろひと 演出:G2
松尾貴史/八十田勇一/後藤ひろひと松永玲子ナイロン100℃]/坂田聡ジョビジョバ]/粟根まこと劇団☆新感線](声の出演)

紀伊國屋ホールは今回が初めて.噂には聞いてたけどほんとに段差がない.背の低い私としては次回は是非またスペースゼロでお願いしたい.会場の不満はさておき、芝居は大満足.前提として「いかにデタラメか」を競ってるような芝居なので、実際には有り得ない荒唐無稽な展開もすべてお約束として受け入れられる.お決まりのフレーズが出ると「来た来た」ってにやっとしちゃうのはシリーズ物の醍醐味だね.そういう点で前回を見ていない人は少々辛いかもしれないけど、こういうのはどのシリーズ物にも付き物だし.健三の破壊者ぶりもさることながら、今回皿袋さんが突出して危険度増してたのが印象的.あんな危ない人だったっけ?三上さんはせっかくだからやっぱり艦長コスプレで登場して欲しかった.生の艦長が見てみたーい.粟根さんが欠席ということで新メンバーの坂田さんが翻弄され役に回ってた.汗だくの熱演だったけど粟根さんの翻弄されぶりに比べるとまだまだ理性が残ってる分弱いかなあ.ま、健三と同等の立場じゃないからしょうがないのか.楽しい2時間だったけど、見終わった後やっぱり粟根さんがいないことを寂しく感じてしまった.3作目は絶対出るよね???


ネタバレ怖くてようやく今日ネットをチェックしてみたら、うわー、ご本人降臨の日があったなんてっ!その日に当たった人、めちゃくちゃラッキーじゃん.いいなあ、羨ましいなあ.たとえ顔は見えなくても粟根さんがやってると思うと全然違うよなあ.いいなあいいなあ.


【追記】
BIG BIZは事前に筋を知っていたので確認しつつ見るといった感じだったけど、今回は100%真っさらな状態.雪達磨式に積みあがっていく問題にどう対応していくのか、誰がいつ登場するのか、こうくるかそうくるかと驚いているうちにLASTに突入.1作目がしがない幽霊会社たなぼた式にでかくなっていったのと違い、今回は最初から海外支社まで持つ大会社が舞台とあってアプローチが逆.小→大のワクワク感に対し、今回は大→小になりそうでならないスリルを楽しんだ.さすが同じ方法はとらないのね.で今結城BBはどうなってんの?ってのが気をつけていないとわからなくなってしまうくらい二転三転の物語.そういう意味で前回より複雑な構成になってたかも.というより前回は何回も見たからプロットがきっちり頭の中に入ってただけか.1回見ただけだと誰がどうしたからこーなってってのが全然思い出せない.やっぱりDVD買っちゃうんだろうなあ.


振り回され役の粟根さんが出演しないということで新たなターゲットになったのが新入社員役の坂田さん.ほぼ全編出ずっぱりの熱演でした.残りのメンバーがメンバーなだけに実際の稽古場でも本当にああいう立場だったんじゃないかと想像できて不憫でならない.三上さんは渋いんだかおかしいんだか.真面目な顔でのコスプレはお手のもの.やり手ビジネスマンかと思いきやトム・ジョーンズですか.大王との歌合戦は最高.次はさらにパワーアップ?


今回神崎さんの活躍が少なくて残念だった.周囲をかき回してはいたけど話の核にはそれほど関わってなかったよね.健三の破壊パワーは相変わらずすさまじい.「健三をシンガポールに呼べさえすればあとは自然にこうなる」って、よくよく考えたらこんな杜撰な計画はないけど、「健三ならさもありなん」って素直に受け入れられんだもん.すごいよ.木太郎ちゃんは、普通だったら「だーかーらー、早く言え!!」っていらいらしそうなシチュエーションでも何故か微笑ましく見えてしまう.これも八十田さんの素晴らしさ.


そして今回一番すさまじかったのが皿袋さん.やけにデンジャラスでサバイバルで驚いた.あんなアウトドアな人だった?壁よじのぼってきたのには笑ったなあ.個性だけは強烈な役立たず男性陣が揃っているだけに、その有能さが際立つわ〜.今回のセクシー衣装はシンガポールが舞台のせいかエキゾチックなアラビア風.もう既に絶対普通の会社、というより普通の社会生活じゃありえない格好だからセクシーを強調してるのか変人を強調してるのかわからない.1人でニマニマとパソコン触ってるサラが可愛かった!


最後の結末も既にコントの世界に入ってたけど、これはこういうものだからさ、もう何でもアリでしょ.カーテンコールのでたらめトークも健在.次回作には絶対結城社長(ほんとにもう社長じゃないの??)も出して欲しい.でも紀伊國屋ホールは勘弁して.