『青ひげ公の城』@PARCO劇場

台本・詞:寺山修司 演出・音楽:J・A・シーザー
三上博史 荻野目慶子 秋山菜津子 河原雅彦 佐藤誓 横田栄司 藤岡杏 蘭香レア 沙智 浅井美保 江本純子 FLIP FLAP Shin 蘭妖子 根本豊 井内俊一 渡邊潮

思いがけず前方センター寄りというかなり良い席で見ることができた.寺山修司初体験.特に興味もなくこれまでまったく縁がなかった.


Charles Perraultの『La Barbe Bleue』しか知らないので、第1の妻から第7の妻という配役がどう絡むのかさっぱりわからないまま見始めた.三上博史が演じた第2の妻がキーパーソンなのか.三上博史は怖くて不気味で貫禄あってよかった.でもほんと怖い.荻野目陽子、秋山奈津子あたりはさすが.見惚れちゃった.苦手だったのは第3の妻を演じた浅井美保.もともとクラシック畑の人らしく歌い方が不自然にオペラ調なのと、エキセントリックな役なのにキョロキョロ動く目に落ち着きがなくドギマギしてるように見えてしまった.河原さんはいつもの河原さんだった.FLIP FLAPの2人は細い手足にファンシーな衣装が良く似合っていてお人形のように可愛かった.問題は話をひっぱる第7の妻.オーディションで選ばれたということだけど、いかにも素人臭くてこの人に最後の長台詞を聞かされてもねえ.他の人がやったらもっとカタルシスを感じられたんじゃないか.


天上桟敷の面々は、こういう白塗りおどろおどろしい系の踊り初体験だったせいか、珍しいものを見るみたいに観察視点になってた.そのほかにも普段見る芝居とは明らかに違うテイストの役者(舞台監督とか)がいて新鮮だった.その分寄せ集めてきな不安定さも感じなくもなかった.


寺山とかって今まで見聞きした印象からもっとドロドロしたエログロなものかと思ってたけど、PARCOだからなのか案外あっさりしてて驚いた.カラフルでポップな衣装が良かった.