宝塚『シニョール・ドンファン』@宝塚劇場

やたらと騒がしい周囲に何があるのかと思いきや、そっか、踊る大捜査線の映画が公開されたのか.こんなに浮き足立った客を作る威力がまだあるんだと感心してしまった.

お芝居はというと、まったく内容を知らずに行ったのが良かったのか、意外な展開に結構楽しく見ることができた.一般的な宝塚のイメージしか持ってないので、宝塚というのは男役・女役の両トップがハッピーエンドにしろ悲恋にしろ必ずペアになるものだと思ってたら、あら、お約束の展開じゃないじゃないですか.いきなりサスペンス物になったりの急展開、突っ込みどころは満載なれど気軽に楽しめた.今回デザイナーが主役ということで衣装をコシノヒロコが担当.デコラティブなところはいかにも宝塚調ではあったものの、よくありがちなスパンコールキラキラ風ではないのが良かった.美しいシルエットはさすが.特に女性の衣装は着てみたいと思うような可愛らしいデザインが多かった.

前半は和物のショー.男役の踊りにはそれほど違和感を覚えなかったのに、花魁の踊りが普段見慣れてる歌舞伎の女形の踊りとはまったく違ったのに驚いた.最初のうちはバックが長唄や清元でないのも不思議だったけど、こういう歌謡ショーのような形式のほうがお客のニーズを満たしてるんでしょう.個人的にはやっぱり途中で入った民謡パートがお祭り気分っぽくて一番良かった.