『世界バレエフェスティバル ガラ』@東京文化会館

お昼の新幹線で東京へ.ぴゅーっと荷物を家に置きに帰り、そのまま速攻で東京文化会館へ向かう.ようこさんと世界バレエフェスのガラを見るのだ.


L5列という斜めの席だったけど前が通路なおかげで視界が広々といい感じじゃないですか.オペラグラスなしでも表情が確認できるし、正面じゃないってだけでA席になるならS席じゃなくても十分だわ.


クィーンの曲をバックにセクシーな魅力たっぷりで見惚れてしまったジル・ロマンの『バレエ・フォー・ライフ』、ビョーンとのびるピンクのセーターを上手く使った振り付けが楽しいアマトリアン&フォーゲルの若々しいペアによる『太陽に降り注ぐ雪にように』、演技力抜群のバランキエヴィッチ&フェリによる『じゃじゃ馬ならし』、ステパネンコの32回転に口が開きっぱなしの『黒鳥』、ローホのバランスの凄さに溜息しか出ない『ドンキ』などなど素晴らしい踊りを堪能.Aプロよりガラのほうが全然見応えあったなあ.
体力配分を気にする全幕物だと見られないような超絶技巧の共演で、客席もいやがおうでも盛り上がる.こんなの見たことないって踊りが続々登場して楽しかった.


本編でも十分満足できるものだったのに、なんと今日はオマケ付き!
「宇宙からやってきたバレエ団が見せる本当の姿のドン・キホーテ」という紹介と共にステージに現れたのはごつくて巨大なキトリ(byゴメス).巨体におかまメークと見た目はとてもキトリじゃないのに踊りはキトリそのもの.大げさに扇子を振ってお馴染みのステップを踏み物凄い反りを見せるキトリに客席大拍手.要所要所でばっちり決めてくるのはさすが.


続いてこれまた巨大なメルセデス(byマルティネス)登場.こちらもロング&巻き毛のウィッグがはすっぱなオカマ感たっぷりでいい感じ.2人共190近くあるんじゃないか.こちらも通常の3倍くらいあるタンバリンを持ってメルセデスの踊りを忠実に(そして大げさに)再現.


女性陣は闘牛士の格好で赤い布をブンブン後ろで振ってメルセデスの踊りを盛り立ててた.最後にメルセデスがでっかいタンバリンで女性のうちの1人(誰だったのかなあ)の頭をぶち抜いてた.すごー.エスパーダはローホ.さっき物凄い回転を見せてくれた彼女がちっちゃいちっちゃい闘牛士に変身です.メルセデスと並ぶと半分くらいしかない!2人並ぶと思わず客席から笑いが.


闘牛士がナイフを床に刺すシーンでは、ナイフにでっかい吸盤がくっついてて女性陣がペッタンペッタンを床に貼り付けていた.それをいちいちチェックして一つずつ直させるマルティネス@メルセデスの芸が細かいったらない.そしてそのナイフの間をきっちり踊って見せてくれた.素晴らしい.


再度キトリ登場.今度のキトリはカレーニョです.さっきまでバジル踊ってたのに今度はキトリかよ.ステージを斜めに踊りきるところでは勢いのあまりカツラ飛ばしてるし、衣装の着方から踊りまで何やら嵐のようなキトリだった.


続いて何の脈絡もなくシルフィードマラーホフ)登場.これまでの男性陣があからさまな女装臭を漂わせて登場だけで笑いを取ってたのに、マラーホフって…わ、わらえない.


だって普通に可愛いんだもん.可憐なんだもん.女性に囲まれても浮かないもん.はー可愛いわねえって見ちゃう.本人ネタかまして笑いを取ろうとしてたけど、そうでもしないと洒落にならなそう.トウシューズも難なく履きこなし、まるで普段からこのまま踊ってるかのように馴染んでた.しかもジャンプしても音がしない.すげっ.


次に登場したのがルグリ.アラブ風な衣装も怪しげな『タリスマン』を見事に踊りきってた.こちらもポワント使いに拍手喝采


アレキサンドロワの『海賊』はダイナミックなジャンプで観客を圧倒.さすがに体は華奢だったけどしっかり海賊になってました.


最後の最後はキューピットの群舞.ワラワラと金髪巻き毛天使カツラをつけた不気味なキューピットが出てきただけでもおかしいのに、あのキュートな振り付けを必要以上に可愛らしく踊ってくれるんだもの.なかでもキューピットの親玉として登場したマラーホフは「これぞ我が道」とでもバックに吹きだし入れたくなるほどのはまりっぷり.お尻をフリフリ振って歩く姿が似合いすぎ.まるでカラバッジョバッカスの絵に出て来る天使のようだった.最後はキューピットたちが手に持つ矢をマラーホフに投げつけてフィナーレ.


ガラのおまけの噂は聞いてたけど想像以上のシロモノだった.なにせみんな本気だもん.その本気が伝わるから余計におもしろい.踊るからにはっていうプロ意識が微妙に働くのか、特に男性陣は一切手抜きなし.一流どころのお遊びはやはり一流だった.


最後は日本開催らしく手ぬぐいま巻き.床に置いておいた私のバッグのところに落っこちてきた手ぬぐいをバッグごと持っていったおじさんっ!あんた、そりゃやり過ぎ.というよりそこまでするのは見苦しいよ.


微妙に届く範囲だったので手ぬぐい落ちないかなあって手ぬぐいの行方を追っているうちに、いつの間にかマラーホフがオーケストラピットの淵に立ってそこから手ぬぐいをまいてた.あぶなー.


最後まで非常に盛り上がりまさにお祭り気分を満喫できたガラでした.10回目ということで席番10に座ってた私には手ぬぐいのプレゼントがあり得した気分〜