第29回『長州を討て』

今週は新選組というよりは長州フューチャーの歴史物語でした.こういうのを見ると新選組って歴史の中枢から外れたところにいる集団だなあって実感してしまい物寂しい気分になった.八木邸の稽古シーンで隊士が増え大所帯になっているのはわかったものの、新選組という組織が重要な位置を占めているといった印象はまったく受けない.こうなると市中見回りシーンがほとんど無いのは敢えて視聴者にそういう感慨を抱かせるための巧妙な作戦なんだろうかと思えてきた.
いつもは感想を書くまでに3回以上は見てるけど、今回はまだ1回しか見てません.
先週に引き続き沖田で泣けてきました.なんていうか、もう、なんであんなにいじらしいんだ.医者とのやんちゃなやり取りがかえってリアルで(医者役の笹野さん、さすがに上手い!)、憎まれ口叩いた後に「死ぬんですか?」「答えてよ」ってあんな淡々と感情を荒げずに聞くなんて、見てるこっちがやり切れない.屯所に戻った時の態度が医者にいる時とは全然違うのもこたえた.ええ子や.
先週の羽織で土方が抱いた疑念が、原田&永倉の様子や山崎とのやり取りで更に深まっていくのがよくわかった.早く気づいてあげて〜.
当の土方はなんていうのか単純バカって感じです.(もちろん、そんなおバカなとこすら可愛いです.)多摩時代に屈折してた反動か京都に出てきてからはひたすら前に進むことしか考えてません.そのせいか最近近藤が思慮深く賢い人に見えてきている始末.もう少し立ち止まって思考する副長でも良いのではないでしょうか.これから先は辛い話、というか辛い立場になるから見てるこっちも覚悟しないと.
香取君は総髪になってからすごく良くなってきた.お登勢に向かってニヤッと笑うところなんて貫禄あったもん.「私はこれでいいのでしょうか」とバカの一つ覚えのように誰かれなしに聞きまくる近藤像というのは、もうこの大河の定番ってことであきらめました.きっと来週も誰かに聞くんでしょう.
久坂の最期があそこまでしっかり取り上げられるとは思っていなかった.が、その分新選組の影が薄かった.歴史から見れば当然のことながら、こと新選組がテーマのドラマということを考えると、内分のあれやこれやの人間関係を描いてくれた方が楽しく見られる.
触れずにはいられない捨助、「歴史の表舞台に出てこない人が実は歴史に深く関わっていた」っていうのはアリだと思う.だけどなにもあんなキャラにしなくたっていいじゃん.キャラ設定なのか獅堂の演技プランかは知らんが、あれじゃお調子者というより「頭の悪い子」だよ.喋り方といいい動きといい成人男性にはとても見えない.アホの子じゃん.だから余計にウザい!!うっかり八兵衛タイプじゃダメなんかい.獅堂の上っ面演技じゃなかったらもう少し捨助に肩入れできるかもなあ.これから龍馬とも絡むんだよねえ.いっそ誰かスパッと斬ってくれないか……
久坂を諌めるあたりで「やば、桂かっこいい」ってありえない気持ちが沸いてきてどうしようかと思ったけど、捨助相手の思い込みの激しさにサーッとひいた.良かった.
象山先生を暗殺した河上彦斎やった高杉亘って、確か今度のアオドクロで夫婦競演するはずの聖子さんの旦那さんになった人よね?へー、こういう顔の人なんだ.
今週は撮影目撃シーンが2箇所.容保公に象山先生と近藤が謁見してるシーンと久坂が鷹司卿の屋敷でがっくり来てるシーン.そうだそうだ、あの時捨助が縁側(でいいのか?)下にいるのを見て嫌な予感がしたんだった.
今回は本編より予告の方が気になった.新選組内ゲバ扱ってるほうがおもしろい.来週から後はキリキリしそうなエピソード満載で目が離せない.早く来週が見たい〜.土方のくったくのない笑顔が可愛かった(←結局そこか)