相島一之&谷原章介トークショー レポ追加

相島さんは黒のインナーに黒ジャケットという少しカジュアルないでたち.谷原さんは白いシャツにグレーの細身のスーツで登場されました.これが凄く地味だった.谷原さんにはもう少しデザイン的なスーツのほうが似合う気がする.胸にチーフ飾っちゃうくらいの.
覚えてることをつらつら書いてみようと思おうものの、途中すっぽり忘れてるなあ.
思いつくまま自分の覚え書き程度に.順番バラバラ.


最初は2人の紹介から.谷原さんはデビュー作だという『花よりダンゴ』の道明寺司役の写真、相島さんは何かのドラマの楽屋風景で緒川たまきちゃんと阿南健治さんと一緒の写真が紹介されました.


撮影では一度も一緒にならなかったという2人ですが、ドラマ撮影前の殺陣稽古を一緒に受けたらしい.
「殺陣ほとんどなかったですよね?」という小寺アナの鋭い突っ込みが入る.
「どうなるかわからないから一応ってことで皆集まってやりました」
”耕史君とか○○さんとか”って相島さんが言ってて、山本君の名前だけはしっかり脳裏に焼きついたけどもう一人の名前を忘れてしまった.相島さんは剣道をやってたそうだけど「剣道と殺陣はもう全然違う!」っておっしゃってましたね.

で、その時が初対面で相島さん曰く「谷原さんは物凄く礼儀正しくて爽やかだった」らしい.それが実際にオンエアで芝居を見て「なんて胡散臭いだ!」ってびっくりしたんだとか.凄い芝居するなーって感心してました.

出演依頼

相島さんは八嶋さんの結婚式の二次会で三谷さんから話があったそうだ.その時は役は決まってなくて、凄く若いメンバーでやると思ってたからまさか自分が新選組側になるとは思っていなかったとか.きっと官軍側の誰かなのかなあって思っていたらしい.

谷原さんはNHKの部屋で三谷さんに会って、その時にヘキサゴンで最後に負けた姿を見て、その負けっぷりが伊東にぴったりだと思ったという話をされたらしい.
谷原さん「策を弄して、弄しすぎて負けたっていうのが伊東っぽかったんでしょうかねえ.ドラマじゃなくてバラエティーで見てっていうのにずっこけましたが」

その話を聞いて相島さんが三谷さんのアンテナの張り具合の広さを語ってた.普通こんなの見ないだろうって番組もちゃんと見てる、しかも人が見ないところを見てるんだって.三谷さんらしい.

小寺アナの「人が死ぬ回の反響が凄いんですよ」というコメントで、2人とも三谷さんの脚本の上手さを誉めてました.相島さんは一視聴者として新選組!を楽しくご覧になられているようで、どんな話題も「あれは良かったよね〜」って視聴者視点でしみじみと語られてました.油小路でも泣いてたらしい.
小寺さんもナレーション等のチェックのため必ず見るそうで、最近は毎回泣いてしまうとか.

油小路といえば、谷原さんが勘太郎ちゃんに最期にツーッと流れる涙は、あれどういう涙なの?って聞いたところ、あれは「近藤さんに会えた!」という嬉し涙なんだって.平助、最期に近藤さんに会えて嬉しかったんだねえ.


新見役について

新見紹介ビデオでは懐かしい場面がたくさん見ることが出来た.
三谷さんに言われたことは「鴨の隣に居るその居具合を考えろ」ということだったんだって.あの佐藤浩市の隣にどうやって居るのか、どう存在するのかってのを凄く考えたとか.
普通のドラマと違って大河は出演者がそれこそ10人とかいて、その中で台詞もなくただ座ってるだけということも多い.そういう中でどう新見というキャラクターを表現するのかというのが難しい.それが三谷さんの「ハンソロの隣にいる宇宙人」というアドバイスに繋がっていくんだって.
相島さんは「新見は一度死んでる」というスタンスで演じていたんだとか.天狗党で一度つかまって死罪になるところを恩赦で許された、その時点で彼の中では志とか野望とかそういったものは無くなってしまったんじゃないか、京都に行った頃には「ま、わかるけど、どうでもいいじゃん?」的な意識だったんじゃないかなーっと.それがあの新見像になるわけですね.

伊東役について

言ってることの90%は本心ではないという伊東役なだけに台本をどう読むかに気を使った.伊東という人物は誰と一緒にいるかで微妙に彼の位置が変わってくるのがおもしろい.新選組内でも近藤たちといる時、加納らといる時、近藤たちとてもそこに佐々木らが加わる時など、その時々でどんどん立ち位置が変わる.
去年の6月くらいに伊東の足跡を尋ねて各地を訪れていろんな知識を得て、京都や新政府側からは非常に尊敬され愛されているのに対し、新選組側の視点からだと嫌われているしどう演じようかと考えたけど、どちらかに偏るのではなく両方から情報を得るようにした.
谷原さん「坂本龍馬と被るんですよねえ」


相島さんは岩倉に名前を覚えてもらえてないシーンがお気に入りのようで「あそこは少年のようにワクワクしてて可愛かった」と嬉しそうに語ってました.谷原さんも「やっと自分の意見が言える!ってあそこはうれしかった」らしい.

大変だったシーン

相島さん曰く「大変に見えるシーンが大変なわけじゃないんですよ」と.
『鴨を酔わすな』の多摩音頭のシーンがとにかく大変だった.カット割りで踊りをつなげるために腕はここからねって、そういう細かいところを全部撮るからまだやんのーって感じだっとか.
谷原さんは「台詞の長いシーンは全部」.伊東や山南などは本当に長台詞(しかも小難しい)のが多い.
特に香取君との最後のシーンは大変だった.

芝居とは

発する方のほうが大変に見えるけど実は受けの芝居が大変.相手の出方によってどう反応するか、その反応によってどう台詞を言うかなど.
相島さんが森本レオさんの撮影時のエピソードを挙げて、台詞というのは一旦入れたらその後一度忘れるのが大切なのかもって話してた.一度忘れて新鮮な気持ちで言うのが大切なのかなあって.
佐藤浩市さんは「ピークを持ってこない」っとおっしゃってたとか.芝居は稽古を積んで連続してその芝居ができるようにするけど、テレビの場合はある1点にピークを持っていかなくちゃいけないから、それ以外の時は絶対にピークを持ってこないんだとか.
香取君は天才肌と相島さん.
「天才と言うと本人はいやがるけど、ぱっと聞いたことがぱっとすぐできちゃう.何にも考えてないのにあれだけ最初と最近では違うってのが出来るのが凄い」


堺さんのFAX

この2人のキャラクターにあわせたのか非常に真面目な内容のFAXでした.
山南にとって新見&伊東というのは兄弟キャラ(違ったかな?兄と弟?)のように思えた.新見から山南、そして伊東へと繋がっていく何かがあった.だからこの3人はシャッフルして誰が演じてもそれなりのものになったのではないか.
などなど、同じ知的キャラとしての親近感があったようです.相島さんは山南さんの物真似をしてた.山南さんは何いつでもどこでも誰からも物真似される運命なのね.
山南がらみの伊東エピソードではなんといっても切腹後の空気読めない歌詠みシーン.
アナ「怒鳴られてましたねえ」
谷原「びっくりしてエッ!って顔あげちゃいましたよ」


他の出演者から影響されたこと

具体的に誰からどんなというのは言えないけれどいろんな人からちょっとずつ.どうやって役作りをするかを学んだ、と相島さん.佇まいや前室でのあり方など本当にひとそれぞれでそこから学ぶことも多かったらしい.
谷原さんが「オダギリジョー君は絶対端に座って本を読んでる」とおもしろい例として挙げてました.これもいろんなところで聞くから、よほど印象に強いんだろう.
谷原さんは小日向さんの芝居を見て「いつもの小日向さんと変わらない!」と驚いたそうで、「自分はまだ演技をしようと身構えてしまうけれどいつかああいう自然な演技がしたい」と小日向さんラブを告白されてました.
が、それに対して相島さん
「コヒさん、あれ芝居してないもん.本番から真っ赤で酒飲んでんじゃないのって.朝田美代子さんに思い切りはたかれてましたからねえ」
そういう相島さんは佐藤浩市ラブ激白.本当に大好きみたいで「かばん持ちをしてもいい」とまで言ってましたから.


大河ドラマと他のドラマの違い

谷原さんはさほど違わないとおっしゃってましたが、相島さんは違うと.
まずは豪華キャスティングのためスケジューリングが本当に大変.朝入って夜まで出番なしとか大河ならでは.
照明が凝ってるしカメラを移動しての細かい撮影が多い.普通のドラマならカメラ5台くらい使って一発撮りをするところを、大河の場合ちゃんとしたセットを作っちゃうから壁なんかが邪魔になってカメラが入らないから、2台とかで移動しつつ撮影することになる.
楽屋が少ない.だから女優さんが使っちゃう.男性陣は普通の廊下みたいなところにあるソファにいるんだとか.
小寺アナ「香取慎吾君も普通にソファに座ってぼーってお茶飲んでるんですよ」

一番好きな台詞

相島:(物凄く考えた後あまりこれといったものが浮かばなかったのか)「"消せ"とかいうちょっとした台詞」
谷原:「Please Go Home」
あの時の八嶋さんは知ってるくせにわざと出口間違えたりと小芝居やってたらしい.相島さんに「どうかと思うねえ」と言われてた.

あの時代に存在したら何をしてたか

相島:真っ先に「やります!」って突撃して殺されるタイプ.
谷原:京都にいて(着物をたたむ仕草をしながら)「新選組が来たで〜」って逃げだす呉服屋の若旦那

時代劇はどうだったか

谷原:とにかく着物を着たときの所作が大変.いざ着物を着ると手の置き場からなにからどうしていいのか迷う.間の取り方も難しい.現代劇だとちょっと立ってお茶を取りに行くとか、そういう動作で間を持たせられるのが、時代劇は動きがなくほとんど座ったままでの演技となるのでそれが難しい.

2人とも実在の人物をやるのはとても面白かったようで「不思議な感じ」だとおっしゃってました.実際にここにいたんだっていうのを感じるのがなんとも不思議な感覚なんだって.


うーん、こんなとこかな.みっちり喋ってもらえたのでなかなか濃い1時間半でした.そして明らかに山本君と境さんのトークショーよりも落ち着いた雰囲気でした.あの2人の場合は試衛館中心メンバーということもあり他の隊士などに対する裏話が多かったけど、今回はほぼ新見と伊東メインで他の隊士に対するあれこれは無かったな.その代わり演技そのものに対する取り組み方などまた違う方面の話が聞けたのが収穫でした.