第47回『再会』

初回見た後はなんというかあまりに新選組隊士の面々がいとおしくて切なくて、こりゃダメだって落ち着かせなくちゃいけないくらい動揺してしまった.本編もそうだけど予告が更に重石のようにズシンときました.最近は予告にやられてしまう.


洋装土方、バースト斎藤など個人的な見どころは多かったけれど、今回はとにかくおみつさんに尽きました.
思えばうざいと言われていた多摩時代から元気で大胆で本音を隠さないおみつさんが大好きだった.
沖田が自分で死期を予言する言葉を口にしたのは初めてじゃない?沖田にとっておみつさんは弱音を吐ける相手なんだね.そんなおみつさんだからこそ沖田に向かって「エラそうに血なんか吐いちゃって、バカみたい」なんて凄い台詞が言えちゃうんだ.最後まで泣くのを我慢していたおみつさんにこっちが泣かされた.毎回私の涙腺を刺激するのは沖田がらみのエピソード.それ以外はほとんど泣くことがないのに沖田が絡むとどうもダメだ.


近藤・土方と別れるときの沖田の目がね、なんとも寂しげで、かつ悟っちゃっててたまらなかった.さすがに今回だけは連れてってって我がまま言えないところまできちゃったんだ.藤原君はこういう想いを秘めた演技をさせたら素晴らしい.


山本君と藤原君の最後の撮影だった縁側での3人のシーンはスタパで閉館まで見学してた場面だ.近藤の「あの頃には戻れない」という台詞が今日の放送での多摩宴会シーンを見たら実感を伴って聞こえてきた.あそこで無理やり踊らされそうになる近藤は、もうかっちゃんと呼べないくらいの威厳があって京都に上がる前とは全然別人だった.
近藤、土方、沖田の3人が共に懐かしい故郷に戻り、その故郷との距離感を感じる様を描いた回だったように思う.それでも沖田が土方に稽古をつけてあげるシーンでは、この3人でないと醸し出せない彼らだけの多摩時代が蘇っているようで3人の特別な関係が伝わってきた.それだけに『再会』というタイトルがなんとも皮肉だった.懐かしい昔を思い出させるエピソードがそこここに散りばめられていて、それが笑えるやら泣けるやら.


勝(野田さん今回も素晴らしかった!)の裏の策に気づき、当の勝からすら「あんな暗い眼をした」と評された近藤が、最後は「負け戦をする気はない」と決意し、それにとことんついていこうとする土方、そして2人に託す沖田、結局最後はこの3人なんだ、この3人は特別なんだって思ったところに、最後の斎藤の雄叫びが来るんだもん.卑怯だよー.叫んだのがいつもは寡黙で何を考えているのかわからないような斎藤だからこそ意味がある.あそこに残った人はみな同じ気持ちに違いない.


洋装土方はスタパで残りの放送時間よりも長いくらいの時間見たから「お久しぶり〜」って懐かしさすら感じてしまった.かっこいいね.凄いかっこいいね.あの衣装が本当に似合う.あれって一歩間違えたらコントにしかならない危うい衣装だけど着こなしてるのがさすが.できればもっと引きの映像で全身をじっくり見たかった.永くて細い足にロングブーツがはまってて更にかっこよいのになー.顔アップも大切だけどせっかくあれだけ似合ってるんだから全身像も大切だよ!
「俺は姿形から入る」って、それかっこつけて言うことじゃないから.
でもね、ドラマの山本土方だからなんとなく納得させられてこういうカッコツケにも思わず笑ってしまったりもするんだけど、現実として浮くどころの話じゃない洋装姿をああいう集団の中でやってしまった土方って本当に切替が早いんだって感心しちゃう.


洋装土方の扮装はマリウスを思い出させるけど、上にのっかる顔つきが全然違うから驚くわー.マリウスの時は「可愛い」という形容がぴったりだったのに、土方は可愛いって感じが全然ない.でもって、レミ好きとしてはギリギリの戦いの中での旗というシンボルには反応せざるをえません.まあ、この場合アンジョは斎藤じゃなくて近藤でないとおかしいけどさ.
あそこで「RED!熱き血潮〜♪BLACK!呪いの過去〜♪」つって歌ってもおかしくない状況だったよなー.


蛇足ですが、今回見知ったセットが一杯出てきて、ああ今後もセットは使いまわしなのね…っとちょっと寂しくなったものです