妖怪大戦争

三池監督は真面目な人なのかなあ.妙にバランス感覚が良すぎて、もう少しはじけてくれてもいいのにってちょっと物足りなかった.
妖怪大戦争とはいえいまいち敵トヨエツの目的が何で一体何をしてるのかがよくわからなくて、大戦争の趣は少なかった.人に捨てられた道具達の怨念がドロドロと絡まった人間対妖怪の大戦争が繰り広げられるのかと思ってたら、そこんとこはあっさりさっぱり素通りされてた.
たくさんの妖怪を出すことが目的だったのかも.妖怪達は物見遊山で集まってるだけだったし.可愛いけど.
このCG全盛期に妖怪達の造形がやたらレトロなのは水木しげるをはじめとした監修の皆さんの趣味なんでしょう.3000人のエキストラを使ったという集団妖怪は、一つ一つの特殊メイクがかなり凝っていたのでじっくり見られなかったのが残念だった.本筋よりもいつの間にかそっちが目的になってるあたり、妖怪を見せたいという監修者たちの目的(←勝手に決めつけ)は十分果たされてたと思う.
神木君はほぼ出ずっぱりで主役としての頑張りが凄かった.もはや子役と思って見てないもん.妖怪達はサダヲちゃんの河童と川姫と近藤正臣の赤い顔のおやじさんの3人がほぼメインでほかの妖怪達の出番は思ったほどではなかった.でもサダヲちゃんはおいしい役で出番も多いし台詞も多い.でも特殊メイクが立派過ぎてアップになってもサダヲちゃんなんだか誰なんだかよくわからない.
水木しげる宮部みゆき荒俣宏京極夏彦の面々はきっちり登場してた.妖怪メイクの京極さんや荒俣さんより普通に学校の先生やってる宮部さんが一番おもしろかった.