ふくろう

ふくろう [DVD]
大竹しのぶのバイタリティーに圧倒された。食べるためという生きるギリギリのラインの選択のために売春し相手の男をことごとく殺していく母娘の話。
あらすじから感じる陰湿さはどこにもなく、なんだかコントのようなドライさを含んだ映画だった。
罪悪感もなく死にゆく男を観察し、欲望のまま豪快に食べるサマを見てると、生きるってことは食べるってことなんだなーって思うわけですよ。残留孤児であるという疎外感、食物の育たない不毛の地を与えられた恨み、そんなものが全部食欲に凝縮されてみえた。
手玉に取られる男達を柄本明木場勝己原田大二郎田口トモロヲ六平直政といった癖のある役者が演じていて、そんな男達すら無邪気に食い尽くす強さを理不尽に見せないのが大竹しのぶの凄いとこだ。