五十嵐貴久『シャーロック・ホームズと賢者の石』

シャーロック・ホームズと賢者の石 (光文社文庫)

シャーロック・ホームズと賢者の石 (光文社文庫)

ホームズのパスティーシュ集.とにかく1作目のインパクトが強すぎて残りの3つをちょっと引いた視点で読むことになってしまった.残り3作のほうがホームズ好きにはたまらないポイントが散りばめられていて、そうそうそう!って楽しく読むことが出来るのに、1作目のえっまさか!?って展開が後味悪すぎて、なんでこういう収録順にしたんだろうって疑問でしょうがない.続く作品もワトソンになりきったホームズが書いてるんだとついつい思ってしまっても無理ないよね.
賢者の石は子供時代のインディ・ジョーンズと引退後のホームズがまさかの共演.一番好きだったのは日本が舞台となった英国公使館の謎.切り裂きジャックを追うホームズが登場しますが、大使館で働く日本人の息子がホームズ譚の影響で後の岡本綺堂になるという展開も楽しい.