ウォーキング・スタッフプロデュース 『SPACER』@THEATER/TOPS 

作・演出:和田憲明
植本潤花組芝居) 木村靖司(ラッパ屋) 内田滋啓 鈴木省吾 伊達暁阿佐ヶ谷スパイダース) 古川理科

植本潤が出るというだけでチケットを取ったのでまったく内容を知らなかった.かなーり陰惨なお話だったのね.知らないうちに人間が異生物にのっとられていくというお話.ヒドゥンを思い出すなあ.芝居というよりは映画にありそうな設定だった.脚本がどーのこーの言う前に、とにかく役者が大変!1公演でいくつ痣が出来るんだろうってくらいぶつかりまくり転がりまくり落ちまくり.すごいな.

植本さんは『南半球の渦』と比較的同じ印象の役.ただあのほんわりした話し方で残酷なことを言うから余計に人間でない生物という印象が強く残った.一番良かったのは阿佐スパの伊達さん.テレビで見た『ポルノ』でも気になる役者だった.今回役柄と見た目の印象がぴったりはまっていた.かっこいいなあ.リカ役の女優が唯一苦手だった.ヒステリックな喋り方をする人は全般に苦手なの.彼女が喚くシーンは「ウルサイッ!!」って怒鳴りたくなるほど癇に障った.そういう役なんだろうけどねー.

エレベータの中でテレビでたまに見る女優(モデル?)と一緒になったが名前がわからず.うーん、何かのドラマで見たんだけどなあ.誰だったかなあ.


【追記】
植本さん目当てに行きましたが、結果的に伊達さんにはまりました.知らないうちに異星人にのっとられた人間が増幅し…というSF映画にありがちな設定.客にはすぐに誰がのっとられ誰がのっとられてないかばらされてしまうので、異星人に襲われるバイオレントなドキドキはあってもサスペンス的なドキドキはなかった.

とりあえず、まあ、役者さんたちがよく転がりまくりぶつかりまくる芝居だったこと.あれじゃ怪我が耐えないんじゃないか.徐々に緊迫していく展開のはずが、割と最初から高いテンションの芝居が続くからちょっとしつこい.というか暑苦しい.特にヒステリックに叫ぶばっかりの女性が癇に障ってイライラ.ちょいクールでたまに爆発しつつも的確に処理していく伊達さんと情に流されがちで情けない鈴木さんとのやり取りが良かった.

最後の落ちはいるかなあ.あれでそれまで盛り上がった気持ちががくーんと下がっちゃった.きれいな結末だとは思うけど無くても良かったように思う.