G2プロデュース×3軒茶屋婦人会『ヴァニティーズ』@本多劇場

作:ジャック・ハイフナ− 演出:G2
篠井英介 大谷亮介 深沢敦

下北本多劇場で『ヴァニティーズ』を見る.補助席が通路にも出るほどの盛況ぶりに驚く.いつも行く芝居とは客層もちょっと違った雰囲気.誰のファンが多いんだろう.やっぱり篠井さん?開演ぎりぎりに前の席に座ったのは多分久世星佳だった.


…日記から抜粋…

男3人で女3人の成長物語をするという概略しか知らず、てっきり中年男の女装っぷりを楽しむお話かと思いきや、ぐぁ、これはかなりきつい.身につまされる台詞満載でチクチクと心に刺さりまくり.28歳で3人とも「なーんか疲れちゃったわ〜」って枯れた雰囲気だしまくりでつい寂しい気持ちになっちゃうんだけど、よく考えたらまだ28じゃん.しかも一人は思い込み激しいながらも夫と子供に囲まれた素敵な家庭を持ち、一人はNYでの画廊経営も順調で、一人はパトロン見つけて高級マンションで一人暮らし.これのどこに文句あるっちゅーねん!人生の成功者じゃないか.あやうく騙されるとこだった

…抜粋終わり…


3軒茶屋婦人会の名称から何度チェックしてもどうしても世田谷パブリックシアターでやるんだとばかり勘違いしつづけてしまった.紛らわしい.

中年男性の女装姿チラシから勝手にコメディーだと思ってたよ〜.まさかこんな重いテーマだったなんて思いもしなかった.観終わった後身に染みすぎて暗くなった.

篠井さんの女役はそりゃ見事だったけど、大谷さんがあそこまではまるとは思わなかった.渋い声の熱血漢的イメージが強かっただけに驚いた.深沢さんは最後の黒いセクシー衣装が似合ってた.ハイスクールで花形チアガールの仲間として過ごした青春時代と、考え方行き方の違いから徐々に離れていく3人が切ない.大谷さん演ずるところのメアリーの頑なさが哀れに映った.70年代という時代背景なのか、「人として」ではなく「女」にとっての幸せとは何かが今の時代よりももっと意味を持っていたように感じた.この脚本は今回のように男性キャストでやってくれたほうが見る側にすればフィルターかかっていいんじゃないか.これをまともに女性キャストでやられたらかなり厳しい