『オケピ』@愛知厚生年金会館 

作・演出:三谷幸喜
白井晃 戸田恵子 瀬戸カトリーヌ 小林隆 川平慈平 小日向文世 天海祐希 布施明 寺脇康文 相島一之 岡田誠 温水洋一 小橋賢児

帰省中のため名古屋で見る.三谷ブランドのせいかテレビでおなじみの顔が揃ってるせいか、普段行く芝居とは随分と客層が違う.三谷さんの芝居はイライラさせられることが多かったので今回は大事をとってB席3階上段にしておいた.高いお金払ってイライラするほど悲しいことはないからね.

コンダクターを中心にオケピの中で繰り広げられる各種人間模様をおもしろおかしく描いた作品とでもいったところか.三谷さんにありがちな「勘違いを訂正しないことによって起こる新たな勘違いによるドタバタ」風味が低かったので比較的楽しく見ることが出来た.ただもう少し短くてもいいんじゃないか.途中少し飽きてしまった.

白井さんは自分の劇団で歌ってる曲調のほうが合ってるように思えた.いかにもなミュージカル曲を歌うには声がソフトすぎて押しが弱い.戸田さんと天海さんの間で翻弄されるコンダクターという役にはぴったりだっただけに肝心の歌が弱いのが惜しい.寺脇さんは歌わないほうがいいんじゃないか.声が悪すぎる.芝居に関しては芸達者な役者が揃ってるので安心して見ていられた.

ただ、どうしても納得できないのが音楽.ミュージカルなのに心に残るメロディーが1曲も無いってのは問題じゃないか.いろいろ凝っているのはわかるけど、もっと単純でいいからきれいなメロディーが聴きたかった.ちょうどこの作品の最後に「どんなにへぼいミュージカルでも中に1曲でも美しいメロディーがあればそれでいいんだ」って趣旨の歌があるのがなんとも皮肉だった.あと笑いのセンスが違うと言われればそれまでだけど、ドカンと受けてたコメディータッチの歌(タコの歌とか)が全然おもしろくなかった.腰砕けになるようなくっだらないのが好きだからしょうがないか.

人間模様のあれこれは良かっただけに、音楽がもう少しキャッチーだったらもっと楽しめたと思う.