五月大歌舞伎 昼の部 夜の部@歌舞伎座

さて、久しぶりの歌舞伎座昼夜通し.珍しくどちらも3階い列が取れたから、今日は前の人の頭を心配する必要が無い!まるで天国のようだ!でも夜の部隣のカップルはずーっとずーっと小声でごちゃごちゃ喋ってて、そのせいでところどころ台詞が聞こえない.もうやめるか、そろそろやめるかと思ってもどんどんエスカレートするばかり.「菊五郎ダメだな」とか話す前にお前らの観劇態度をなんとかしろっ!あくびばっかりして居眠りしてるくせにダメ出しかっ!途中であまりに頭にきたから「喋らないでくれ」と注意しましたよ.

昼の部はあんまり印象に残ってない.松緑はやっぱり苦手だと再認識.声と喋り方がねえ…
実盛物語の菊五郎が良かった.番隨長兵衛はあんまり好きじゃない上に、前に見た仁左さんの水野の印象が強すぎて今回新権十郎の水野がしょぼく見えてしまった.

夜の部は楽しかった〜.初めて生で見た『』、でかっ!歌舞伎にはいろいろ扮装した人物が出てくるけどこんなにでかいのは無いんじゃないかしら.大きいことは凄いことっていう単純明快な論理がこうも素直に受け取れるとは.あの見るからに重そうな扮装で正面きって見得切られたらたまんない.なんだかわかんないけど妙にありがたい気持ちになった.初めて團十郎が神様扱いってのがわかった気がするよ.これやられちゃたまんないね.将来新ちゃんもやるんだよね.今から楽しみじゃ〜.

髪結新三』は菊五郎さんの世話物だから楽しみにしてたんだけど、うーん、正直前に見た勘九郎仁左衛門富十郎のほうがおもしろかった.菊五郎さんだとかっこよすぎるんだもん.左團次さんの大家もおもしろかったけど、ああいう金にうるさくこすっからいカリカチュアされた人物って富十郎さんって抜群に上手いからねえ.菊ちゃんのお熊は後半ずーっと押入れに入れられてる役だから寂しいけど、黄色と黒の着物(えーっと、ああいうチェックはなんて言うんでしょう)が似合ってて可愛かった.玉さんだと町娘とはいえたおやかで色っぽい印象だったけど、菊ちゃんは凛とした雰囲気だね.

最後のかっぽれはとにかく楽しい!俳優祭の出し物みたいで大騒ぎ.素顔の素踊りだから普段よくわからない踊りの質が素人の私ですらわかった.研祐君、上手すぎ.ずらーっと一列で踊ってても自然と目が行くもの.あれは一人次元が違うわ.なんだろう、素晴らしいね.見ててワクワクする.巳之助君も良かった.パパである三津五郎さんもさすがに上手い.もしかしてこういう素踊りのほうが日本舞踊が楽しめそうだ.菊ちゃんは贔屓目たっぷりなので当然素敵に見えても仕方がない.たとえ素顔にプラスチックのへんてこ坊主頭だとしても.隣の若い女の子も囁いてたけど、菊ちゃんってすっぴんのほうがきれいだった.山三もお熊ちゃんもきれいだったけど、すっぴんだととにかく肌の美しさと色の白さが際立って美青年だったわ〜.途中で登場した亀蔵さん率いるチアリーダー軍団も凄かった.銀髪やオレンジのかつらに今時メークでもちろんミニスカート.白いパンツをこれでもかと見せまくっての大活躍.最初は引き気味だった客席も、そりゃもとはトンボも出来る三階さん揃いだもの、やってることがかなり本格的なので最後は大拍手だった.チアリーダー見て本気で笑ってる菊ちゃん(一人だけやたら受けてたのは何故だろう)を見られたのも収穫.とにかく楽しい1幕で気分良く会場を後にした.